第24話 魔物討伐隊発足!やっとです。


 アルフは当初、討伐にあたしと一緒に行動するつもりでいたんだけど、規模が大きくなった事で、隊全体の総指揮をしなくちゃ、いけなくなった。

側を離れる事がある事を知ると、あたしの参加に難色を示した。


「何言ってるの?あたしが参加しなくちゃ、目的果たせないじゃない!」

そう、今回の目的は大物狩って、あたしの力を示す事。


 いざとなったら連絡するから、直ぐ転移して来てと言って、やっと納得してくれた。


 婚約指輪はデカすぎて、邪魔になるので、ちゃんとアルフが小さめのブルーダイヤ&魔石通信指輪を作ってくれた。


 それに、あたしの入る部隊はアルフが念には念を入れた精鋭部隊。

むしろ、あたしの魔力が強いので、弱い人はヤられてしまう可能性がある。いざという時、自分で逃げてもらえる人にした。


 あ、高坂は魔力が最近メキメキ上がって来たし、逃げ足速いから大丈夫でしょ。


 そんなこんなで、今回の討伐隊のメンバーが決まった。獲得した点数によって、女王からの直々の褒美がある為、王都兵士、王都ギルド、冒険者問わず、有志での参加も認められ、当初予定していた、10名位で良いかなぁと思っていた人数より、大幅に増えて、、、賑やかになった。


 ………つまり!ちょい散歩がてら、魔物ひと狩いく?つもりが、どういうわけか、本格的になってしまったって話!


◆ブーケット国、王都ブーケッティア兵士討伐隊◆

総指揮:アルフォンス・ベル・ドール・ブーケット王太子


 第1隊マグノリア・シンバル・トロワ隊長。ミトレス・シンバル・トロワ副隊長。カイト・コウサカ。隊員。ジョージ・ホルン・ギルモア隊員。オーレン・ビヨンド・マクガイバー隊員。シルバニア・トライアングル・グレーメン隊員。ハルネ・フジシマ・ダナン隊員。

 の以上7名。


 このチームは殆ど、アルフの王太子近衛隊員だったりする。あたしと高坂抜かしてね。


 第2隊 アミダラ・シンバル・トロワ隊長。グレン・バス・ダルトス副隊長。ニーナ・バス・ダルトス隊員。マチルダ・ミコーネン隊員。ジェーン・ナス隊員。アナスタシア・ミルト隊員。リリーアン・チャンサー隊員。の以上7名。


 このチームもほぼ王太子近衛隊のメンバーだけど、グレンさんだけが男性でダンビラスさんの部下。後は全員女性。ニーナさんはグレンさんの妹さん。全員、アミダラさんの元部下。(今、アミダラさんは表面上は、ウォレット殿下の部下だからね。)


 第3隊:アレキサンダー・チェロ・バルトトロス隊長。ザナトス・ファゴット・テクニカ副隊長。ムーラン・トォル・チューバ隊員。ザンティナ・カンテレ・トーン隊員。ユーグル・ティーナ・メゾラトス隊員。ミハイル・コラン・グレース隊員。

以上6名


 このチームは全員が貴族で、アルフが嫌いな我欲の強い、要するに、いけ好かない臭いメンバーって事ね。貴族階級のお偉方がどうしても、自分の息子達を入れたいって事で、参加したチーム。隊長以外は使えなさそうな、俺様貴族達。魔力もそれ程ありそうも無いし、ま、どうでも良いけど。あたし達の足を引っ張らなければね。


こんな3チーム20名が、王都の討伐隊兵士チーム。


◆王都ギルド討伐隊◆

総指揮:オーランド・ケラムギルド長。


 隊は2チーム。

1チームはグリスト・パンダレス隊長、率いる獣人族やエルフ族が殆どの隊員の6名。

2チーム目はナスカ・ラス・プリクトン隊長、率いる、数々の迷宮ダンジョンを制覇したと豪語する、冒険者隊員の7名。以上、2チーム合計13名が王都ギルド討伐隊チーム。


 このメンバー達の事はよく知らないんだけど、獣人やエルフ族、なんて、いかにも異世界って感じよねぇ。

ファンタジーよ!ロマンよ!それに冒険者ギルドって、一度行ってみたかったのよ。

是非、この機会にお近づきになりたいなぁ。


 更に王都ブーケッティアより、西にある領地「シャンタナ」って街のギルドから、飛び入り参加!

◆シャンタナギルド討伐隊◆

A級冒険者のライザ・ネル・クラン指揮兼隊長、率いる冒険者達。ここは12名程。


 ライザさんはシャンタナのある領主の娘。討伐よりも、一度王都に来てみたくて、っていうのが参加の理由。他の冒険者も実は同じ理由。


 合計45名で討伐は始まった。

それぞれの隊長達はアルフと連絡が取れるように、通信用の魔石入腕輪を装備完了。一応、何かあった時の為に、他の討伐隊の指揮官にも持たせている。


◎そして、討伐に際して、王宮より、ルール、得点、方針が決められた。

 何か長いけど、お堅いダンビラス軍部大臣より届いた書簡。

アルフが魔法でコピって、それぞれの隊長に配られた。


 必ず、隊員に読ませ、理解した上で参加するようにと、ダンビラスパパから、キツ〜くお達しがあった。


◆討伐隊ルール

1、魔物は数より質や大きさ、強さが大事だが、街や村に影響がありそうな大きなむれは、たとえゴブリンのような得点が低いものでも、得点が高く+10点。魔石の大きさも得点が影響される。小魔石3点。中魔石6点、大魔石10点、特大魔石20点、特殊魔石50点。特にレアな魔石なら、更に点数にプラスされる。

 魔石以外の毛皮、爪、骨、特殊アイテム等は其々それぞれレア度に準じ点数が決められている。

 又魔石、アイテムは王都、ギルドが其々それぞれ買取はするが、権利ある者が所持を希望する場合、これを承認するものとする。


 ※異なるチーム同士で協力し、討伐された場合、審査官の追歴ついれき魔法によって、得点が判断される。


2、怪我したり、避難する時の為、各チームには回復魔法や転移魔法が使える者を最低1名は置く事。

 回復薬は各チーム20本は支給するが、それ以上は各自で用意する事。


3、各隊、チーム問わず、勝てそうにない時、転移魔法が追いつかず、敗北が予想される場合は各チームの隊長、指揮官又は準ずる者が連絡をとり、応援を要請する事。何より隊員の命を優先する事。それが守れず、隊員をむやみに命の危険をさらし、酷使したと判断された場合、若しくは後に発覚した場合、厳重に処罰されるものとする。


4、参加に際して所持する武器、薬、及び私物は各自で管理し、紛失、故障、持ち忘れ等の責任は各チームに一任する。王都並び王宮はこれらの責任を一切取らぬものとする。他人の所持品に際し、本人の許可なく使用、持ち去った場合は厳罰に処す。


※以上の事を不服の者は参加を認めず。参加した段階で了承したと見なす。


 というもの。

他にも、地図や携帯食料2日分、水袋、簡易医療品、簡易テントが支給された。

 流石、ダンビラスパパ、規律ある軍にいるだけあるわ。


 、、んで、討伐場所は王都から北に広がる、ケルピーの森からバニシルビア山に入り、オールの山まで。それ以上、北は危険なので、行かない事。

 西はシャンタナ手前にあるオルセン高原まで、ここは足の速い魔物が多いから、速さに自信ある者が有利。


 南は港町ブルライトの手前、ピクシーの森まで。ここは魔力が強い森なので、アンシーリー・コートと呼ばれる、人に害をなす妖精が、討伐の邪魔をする可能性がある。魔力が弱い者は不向き。


 東はウォレット殿下がいた討伐隊や、あたし達が王都に向かう途中、盗賊達を討伐したばかりなので、今回はなし!


 期間は10日間とする。

日にち超過が認められるのは、大物討伐が見込めそうな場合で、本部に連絡を入れ、許可が降りた場合のみ。


 そして、今回の方針は王都の近隣の魔物を討伐する事で、住人が安心して、生活や商売が出来るようになる為のもの。

 また、万が一、将来魔族が王都やブーケット国、全体を攻撃した時の訓練の為でもある。


 南は高坂が魔力強くなってきたと言っても、そんなに強くないし、騙されやすそうなのでやめておいた。


 西にするのか、北にするのかで、悩んで西のシャンタナから来れたチームが居るんだから、そんなに良いの残ってなさそうだし、北の山の方が大物いそうなので、今回は北の討伐に行くことに決まった。


 、、にしても、マグノリアさんたら、何回もどもったり、つっかえたりして説明してくれるんだけど、それ、もう皆読んでいるから、早く行こうよ!……って、言おうとしたら、ミトレスがササッと、マグノリアさんから書簡を奪って、



「では!第1隊、出〜発!」



 って先に言っちゃった!

 さすが!!

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