第111話 あの日の始まり

屋上の扉が開く。


夜の夜景に、重なるようにいた吉沢先生。


「待ってたよ。君を!」


零子には、怒りがこみ上げた。


「あんたのせいで、両親が死んだ。」


「そうか。」


まるで予定通りと言わんばかりに、ただ一言を添えて。


零子には恐怖はない。


あるとすれば、この男を殺し損ねる事だけ。


「私はあなたを殺しに来たの…永遠に」


吉沢先生は、余裕の笑みを浮かべた。


「私は死なない。いや死ねなくなった。禁断の儀式によって、どうだ零子、君も儀式を受け私と永遠にいないか?」


「儀式?儀式何て信じてるの?先生は今死ぬよ?…私に殺されるんだから」


零子は不敵な笑みを浮かべ、口が裂ける程つり上がって言った。


吉沢先生が、叫び散らした。


「俺は生徒5人を殺し、儀式を成功させたんだぁ…零子、従わなければ殺す。」


吉沢先生は、零子に飛びかかった。


零子は軽く避け、後ろからナイフを刺した。


吐血する吉沢先生の頭を踏み言った。


「死ねないんじゃなかったの?先生ぃ。」


零子は腕、足の両方を動かなくなるまで刺した。


何度も何度も。


吉沢先生の悲鳴と絶叫が、学校を包み込むも、誰もいない。


あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。


零子は頭を掴み、屋上から落ちるギリギリの所まで引きずり、頭は浮いた状態。


「助けて…助けてくれぃ!」


零子は即死しない程度に、首にナイフを刺し落とした。


「生きてたら、必ずまた殺しに行く。」


そう言い残して。


グチャ。


下を見ると、死んだ姿があった。


「先生、また殺しに行くよ。」


零子はそう言い、屋上から飛び降りた。


零子は死んだ。


この後、親と一緒に葬儀が行われ、殺人事件の起きた白別世天高等学校は閉鎖された。


記憶が途切れた。


零子は受け止め切れず、泣き叫んでいた。


「クラスにはまだ人が残っている。まだ続きがあるの?」


零子は泣き止み、次第に口が笑った。


「まだ、復讐は終わってない。必ず殺す…アハハハ」


ピートントンピートントンピートントンピートントン。


明日からが、血で血を洗う学園祭が始まる。


学園祭当日に。


零子は夜の闇に消えた。


悪霊が地獄に帰るように。


零子の傷は消えない。


全てを殺すまでは。


ふふふ。

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