第91話 あの日の始まり

霊子は瑠璃のぐちゃぐちゃの死体を、開かずの間に運んだ。


これで開かずの間に収められた死体は11人。


生き残りは19人。


この日は闇の訪れと共に、始まり終わった。


次の日。


霊子は学校に入り、教室へ向かった。


しかし、教室には誰もいない。


廊下を見渡すも誰もいない。


それどころか、人の気配がしなかった。


席に座り、次の獲物を誰にするか考えていると、汗をかき、息を切らし、ものすごい勢いで教室に入って来た里奈と波。


里奈は教室に入るなり、大きな叫びのように名前を呼んだ。


「霊子!」


霊子は驚き、一瞬、殺人の事がばれたと思いポケットに手を入れナイフを掴んだ。


すると、霊子の左手を掴み、何処かに連れて行こうとした。


霊子は、ばれたわけではない事を悟り、ポケットから手を出した。


「どうしたの?里奈!」


里奈は慌てて言った。


「ちょ…ちょっと来て!」


霊子は不思議に思い首を傾げた。


廊下の中心地を右に曲がった。


あぁ、なんだ体育館か。


そんなに必死になって、私に何を見せたいの?。


記憶が脳裏を横切った。


また、私を虐める為か?


まぁ、殺すから良いんだけど。


体育館には人が集まっていた。


よく見るとクラスメート。


皆は入って来た私達を見た。


皆の視線は、再び上を見た。


私は視線の先を見た。


あったのは、拓己と小平の死体が吊るされていた。


拓也は十字に吊るされ、小平は上半身と下半身に分けられていた。


クラスメートの中には、吐いていた者もいた。


私は感動と憎しみが強くなった。


なんて、美しい死体。


これが罪人の末路。


小平の死体は切られたと言うより、千切られた感じだなぁ。


誰かは知らないけど、私の獲物横取りして、ただで済むと思うなよ。


霊子は死体を見て、驚いているクラスメートに笑いがこみ上げた。


こいつらみーんな最後は殺されて、死体になるのに何で驚いているの?。


里奈、貴女は最後の楽しみだからねぇ。


霊子は周りに合わせて、悲しい表情を作った。


「だ…誰がこんな酷い事を!「 」


膝をつく霊子に、里奈と波が支えるように腕を掴んだ。


里奈は複雑そうな顔で言った。


「霊子、ごめん私が連れて来たから、でもこれは知って貰わないとと思って」


波はみんなが、その答えを知らないのを分かっていたけれど、目の前の物が口を開かせた。


「誰がこんな事を?」


正木と友希が駆け寄って来た。

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