第64話 復讐の冷血

「教えていただき、ありがとうございます。」


体育館に着く。


同じ班の夏希は、まだ来ていない。


里奈が言った。


「夏希を探して来るから、何するか決めてて」


「わかりました。」


崇拝する霊子を見て言った。


「では、霊子様は、何がよろしいですか?」


霊子は思い付く前に、記憶がない。


京子に押し付けるように聞いた。


「京子はどんな感じがいいですか?」


京子は人見がいる分、肩身が狭い思いをしている。


やはり、霊子と仲良しな自分が、気に入らないだろうと考えた。


京子は疑問があった。


霊子と確かに仲が良いが、里奈や瑠璃の方が特に仲良しなのに、何故自分なのかを不思議で仕方がない。


やはり、後で2人きりになれる機会があれば、人見に聞いて見よう。


「スタンプ制はどうかな?」


霊子は意味が分からず、質問するように言った。


「スタンプ?」


「うん。例えばね、スタンプを押す所が3つあるとするじゃん?フリースローを3つの難しさでクリアしたら景品をあげるのはどうかな?」


霊子は話を聞いていて、心臓に脈打つ音がドキドキとなった。


京子が提案した案が良かったからなのか、はたまた外が闇で覆われ、自分の領域に変わる事に興奮したのか、この時の霊子にはまだ分からない。


だが、直ぐに知る事になる。


闇は1つではなく、いくつもあり、その中で1番大きく他とは天と地程、隔たっている事を霊子は知る。


自分の呪わしき心と、現世では明らかにならなかった、血の真実を知る学園祭だと。

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