ゾンビルール③
誰も近付かない、校舎裏。
僕は、腐臭を発する草の上で必死に激痛に耐えていた。
顔に傷がつくとまずいからと、腹を集中的に殴られた。僕をサンドバッグにして、ストレス発散した奴等が、笑いながら転がっている僕に唾を吐いた。
「お前さぁ、こんなに殴られて悔しくないの?」
悔しいに決まっている。
学校からの帰り、久しぶりに幼馴染のナツに会った。
「あっ、サトルじゃん。………何かあった? いつも以上に暗いけど 」
「別に。そっちこそ、どうしたの?」
ナツの右頬が、赤く腫れている。
「彼氏に殴られた」
「ふ~ん。彼氏って、あのサッカー部の奴?」
その夜、僕はサッカー部の部室に火をつけた。その現場を職員に目撃され、いつの間にか、気付いたら僕は学校を辞めさせられていた。
「バカっ!! なんで、あんなことしたんだよ」
ナツは僕の胸ぐらをつかみ、本気で怒っていた。
「別に」
「………別にって、なんだよ。はぁ~。相変わらず、何て言うかさ」
これで、最後。
もう二度とナツと会うことはないかもしれない。そう思った。僕は、取り返しのつかないことをしてしまったから。
「アイツとは、別れたから。だから、もう大丈夫だから。わたし」
「ふ~ん」
【 ゾンビ病が流行る、5ヶ月前の話 】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます