異世界転移 83話目
「と、言うわけで明日にはフェルデンロットに向けて出発をする。 みんな、準備は良いな!?」
「「「良くないです!」」」
「よーし、それじゃあ解散!」
「ちょっと待ってよ! 本当に準備なんか出来てないんだってば!」
明日にはフェルデンロットに旅立とうと言うのに、パール達が準備出来てないと言う。
ミラーナとクリス達は準備万端だと言うのに、いったいどう言うことなんだか……
「どう言うことって、私達がロットリッヒ来たのは今朝じゃない!」
「うーむ、そうだったか?」
カルタサーラの奴隷狩り隊を倒し、パールと犬人族の総勢200人を解放してロットリッヒに帰ってきたのは1日半経った今朝だった。
そして奴隷狩りの使っていた馬車や物資を押収したのだが、どうやら他の場所に物資を隠していたようで、犬人族全員だと1週間ほどしか持たない量だった。
そしてパール達はもちろん金など無く、ロットリッヒに着いたは良いが途方にくれていたところにケンの最初の発言だったのだ。
ちなみにドライトは夜営地で一晩中散々にクリスの料理を堪能していたが、ミラーナが私も作って捧げると言った瞬間に消えていた。
「何にしろロットリッヒにも多少だが仕事は有るぞ?
ここで働いて金を貯めてから合流したらどうだ?」
他の民達の食糧や建築資材は大体がケンの持ち出しだった、なのに犬人族には何故出さないのかと言うと……これからの建築ラッシュや移民を考えて商人達が様々な物資の値を上げていたため、これ以上の老後の資金を使うのをケンが嫌がったからである!
「少しは貸してくれても良いじゃないの!」
「主人様、尻尾をさわらせるので白金貨1000枚下さい!」
「特別に耳を触らせてあげても良いわよ? 本当に特別よ!?」
「私は~ホッペを舐めてあげる~」
パール、チェルシー、アルマ、ポリーがそれぞれにそう言うが、ケンは冷めた表情でいう。
「お前らなぁ……貸してくれって返す当ては有るのか? それに力ずくでいくらでも撫でられる尻尾と耳に白金貨1000枚も出すバカがいると思うか?
あと俺は舐められるより舐める派なんで舐めさせなさい。」
最後の一言で全員をドン引きさせたケンはミラーナ達を連れて寝室に去ろうとするが、そんなケンをパールが呼び止める。
「わかったわ! 移住のための資金や物資を貸してくれたら……私の処女をあげるわよ!」
「な、なんだと!?」
慌てて振り向いたケンは、パールを見直す。
うん、美少女である。
思わずうなづこうとしたケンだったが、ある事を思い出してパールに聞く。
「あれ? でもお前ってあの坊っちゃん司令官の慰み者にされて、散々に快楽を教え込まれたから処女じゃないんじゃあ?
いや、もちろんそれはそれで美味しく食べさせてもらいますが。」
「ご主人様、下品すぎます。」
クリスがケンを叱るが、他の3人は同じような思いがあったのか不思議そうにパールを見る。
「私達が捕まって1ヶ月ぐらいだったかしら? そしてあなたの言う通り、確かにあの男の寝所に毎晩呼ばれたわ?
でも、あの男は……罵って踏んでくれって言って、それだけその……満足しちゃって寝ちゃったのよ……ね?」
「あ、あの野郎、玉無しか? それに見た目も変質者そのものだったが、中身も変質者だったのかよ……」
いや、見た目は普通どころか結構良かったのだが……何にしろケンは坊っちゃん司令官を変態認定して、ミラーナ達を見ただけでも目を潰してやろうと決意したのだった。
そしてそんな決意をしながらケンはパールを抱き寄せて言う。
「とりあえず本当に処女なのか確認させてもらいます。
さあ、いざ寝室へ!」
「え! ちょ、いきなり!?」
「な、何事も経験よね!?」
「何か面白い事でもあるんですか?」
「パールもアルマも真っ赤だ~?」
「ご主「クリス。」ミラーナ様?」
パール達を連れて寝室に向かうケン、それをクリスが止めようとしたがミラーナがそれをさらに止める。
「ミラーナ様、なんで止めるんですか?」
「この間、お母様と話したんだけどね? 側室を増やしなさいって言われたのよ。」
「な、なんでまた……カリーナとシリヤも居るのに……」
「ケンは転移してきたから天涯孤独でしょ? 一族が居ないのよ、一族が。
私との婚姻でロットリッヒの一族が親族になったけど、他にケンの、フェルデンロット家の一族を増やしなさいって言われてるのよ?」
「それで彼女達、エーコン族ですか?」
ミラーナはうなづくとカリーナとシリヤにも近づくように手招きして説明し始める。
「いい? 将来的には私の子供がフェルデンロット家を継ぐ事になるわ。
そして分家の筆頭がクリスの子が、カリーナとシリヤにも分家をつくってもらうわ?
それに家臣としてエーコンの一族を取り立てるためにも、彼女達には犠牲になってもらうわ。」
「な、なるほど……ケンの血筋を残すって事ね?」
「ええ、それもなるべく多くね、でないと将来にもし血筋が途絶えたなんてなったら、フェルデンロットの家督をめぐって内乱になりかねないわ?」
「……やっぱり貴族って、大変ですね。」
シリヤがそう言うと、ミラーナはさらに自分の近くに来るように手招きをし、顔がくっつくほどに近づいたところで真剣な顔で言う。
「血筋を残すのも大事なんだけどね? ……最近のケンをどう思う?」
「どうって、何がですか?」
「夜よ夜、夜の生活をどう思う?」
ミラーナがそう言うと、3人は一気に真っ赤になり、何を言ってるんだこの人は? っと非難の視線を向ける。
「いや、変なことを言ってるのは分かってるけど、最近のケンって……激しすぎるし、絶倫すぎるでしょ?」
「そ、それは……」
「私達4人相手でも負けちゃうし、朝方まで寝かせてもらえないこともあるわね?」
「最近、旦那様は淫獣か何かでないかと本気で考えるようになりました。」
「シリヤの意見はともかく、その事もお母様に相談したんだけど。」
「「「相談した(んですか!? の!? んですね。)」」」
ミラーナの言葉にクリスとカリーナは驚き真っ赤になり、シリヤはウンウンとうなづいている。
「まぁ聞いてよ、もしもよ? もし私達のうち3人、いいえ2人でも妊娠したら……残った2人でケンの相手を出来る?」
「「……無理です!」」
「でしょ? 正直、あんなの1人で相手にしてたら壊れちゃうわよ。」
ミラーナの言葉に青ざめながら答えるクリスとカリーナ、そんな中でシリヤだけはウンウンうなづきながら「流石は奥様とそのお母様。」っと言っている。
その反応が気になったミラーナはシリヤに聞いてみる。
「ねぇ、何が流石なの? なんか気になるんだけど?」
「いえ、流石は一流のサキュバスは違いますっと思ったのと、その直系の娘だと。」
「ちょっと! お母様がサキュバスってどう言う意味よ!?」
「え……? ミラーナ様のお母様、シルヴィア様はサキュバスで夫の精気を吸ってるから若いって……」
「誰よ! そんなことを言っているのわ!? 暗殺してやるわ!」
「旦那様です。」
「ちょっと、ケン!」
ミラーナは怒って寝室にトッカンする。
「おお、自分から寝室に行くなんてやっぱりサキュバスです!」
「シリヤ、バカな事を言ってないでミラーナ様を追わなきゃ!」
カリーナはそう言うとシリヤの手を引いて寝室に入っていってしまう。
「カリーナとシリヤも結局寝室に行っちゃうんですね……」
クリスはそう言ってため息をつくと、自分も寝室に向かうのだった。
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