第391話 心霊スポット~とある廃病院その3~
「それにしても、何て言うか、綺麗すぎますよね。ここ。」
設置されているベットのシーツは綺麗に伸びて皺が無く、机の上にはノートやライト、それにペンや医療器具が綺麗に並べられている。
おまけに何処も壊れているようなところはなく、カーテンなんか洗ったばっかのように美しいのは何故なのだろうか。
「確かに優の言う通りね。外観だけでなく、中もこんなに小綺麗だと変な感じね。」
「まるで誰かが毎日掃除をしているようでありマスな。」
「そう、これも不気味な現象の一つだ。実は二年前の病院がまだ運営している時もこのように病院内は何処も綺麗だったんだ。もちろん、清掃員はいる。けれど、清掃員がやらないような場所まで綺麗になっていると、不気味だろ?」
「清掃員がらないところって何処よ?」
「机の中さ。」
「ッ!!?」
なるほど。確かにそれは清掃員はやらないな。
やるならそこを使っている人物だが、覚えがなかったってことだろう。
「さて、ここまでは無理矢理な理由付けをすれば説明をすることは可能だ。だが、次に紹介する場所はそうは行かない。こっちだ。」
式子さんの後に続いて階段を上り、右側に歩いて行くとそこにはレントゲン室があった。
「レントゲン室ですか?」
「ああ。」
「ここは予想しやすいでありマスな。」
「千夏はわかったの?」
「はいでありマス。おそらくレントゲン写真が心霊写真に早変わり。ってところでありマショうな。」
「ふふっ。正解だ。そう、ここで女性がレントゲン写真を撮ると何故か変なものが映った。ある女性は足の骨折の疑いがあり、レントゲン写真を撮った。ところが現像されたそれには女性の足以外に子供の手のようなものが映っていたらしい。」
「子供って・・・ここは婦長の幽霊以外もいたってことですか?」
「もしくは婦長の霊に導かれて他の霊もこの病院へ集まった、かだ。」
「確かにレントゲン写真に子供の手が映るのは説明がつかないわね。」
「これも婦長が亡くなってから起こるようになったんだ。最も、ここは早々に使われなくなったがね。」
もしかして今もこの中には子供の霊が・・・なんて。
「では入って見よう。」
おおぅ。怖いもの知らず。
「特に何か変なところは無いわね。」
確かに普通のレントゲン室?だよね。
骨折したことないからわからないけど。
「診察台とレントゲンの危惧以外に物は無いでありマスな。これじゃ子供は隠れられないでありマスな。」
確かにこれほど見通しがいい?って言えばいいのかはわからないけど、子供がいたら間違いなく気づくな。
「だから説明がつかなかった。女性のレントゲン写真には高い確率で子供の手が映るのに、男性の写真には全く映らない。変だろ?」
「確かに変ですね。」
でも子供の霊がいるかどうかはわからないな。
これといって嫌な感じもしなければ、誰かの視線を感じるようなこともないし。
もしかしたらここにはもういないのだろうか。
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