第346話 百物語合宿~お題:奇妙な話 前編~

いや~どれも怖くてワクワクする話ですよね~。

皆さん本当に何処からこんなにたくさんの話しを聞いてくるのやら・・・。

さて、いよいよ式子さんの怖い話です。

これは六巡目に話された内容で・・・。


「さぁ、優君。いいお題を頼む。」

いいお題かどうかわからんけど・・・これ、かな。

「っと。え~・・・お題は・・・え?“奇妙な話”?」

「ほぉ。」

「どういうことよ?奇妙な話しって。」

「あ~・・・すいません。それ、自分でありマス。」

「千夏のなの?」

「はい。実は、途中からお題が思いつかなくって・・・いくつかは適当に書いてしまったんでありマス。」

「は~・・・ま、確かにそういうこともあるわよね。」

「あの、式子総司令。無理そうならお題変更も・・・。」

「いや。これぐらい造作もないさ。」

あのドヤ顔・・・柑奈さんに対する挑発か?

「へ、へ~。」

あ、柑奈さんの額に血管が・・・。

「じゃあ聞かせてちょうだいよ。し・き・こ。」

「ああ。こんな話はどうだろうか・・・。」


それは突然起こりました。

僕にも何が起きたのか、未だに分かりません。

でも、確かに記憶にはあるんです。

時々思い出しては寒気のする出来事が、僕に起こったのです。


あれは、僕が中学二年生の頃の出来事でした。

僕が目を開けると、中学の体育館のど真ん中に横になっていたんです。

「・・・ここは?」

意識が朦朧もうろうとするままに辺りを見て、そこが体育館だろうと何となく思い、僕は立ち上がって、歩いて外に出たんです。

そこで意識が途切れ、気がつくと僕は中学の体育館のど真ん中に横になっていました。

「・・・え?」

確かに体育館を出たはずなのに、僕は先程と同様の形で目を覚ましたんです。

夢だろう、そう思ってもう一度体育館を出ようとして意識が途切れました。

気がつくと、中学の体育館のど真ん中に横になっていました。

「・・・え?」

辺りを見て、間違いなく体育館であることを認識しました。

「いやいや!・・・は?・・・え?」

理解ができませんでした。

夢の夢なんてこと、あるのでしょうか?

不気味な気がして、僕は急いで体育館を出たんです。

気がつくと、またしても体育館のど真ん中で横になっていました。

「は?なに?え?は?どういうことだよ?」

認めざる得ませんでした。

これは夢の中ではなく、どこか僕の知らない世界に迷い込んでしまったことに。

意識がハッキリとした僕は、辺りを注意深く見回しました。

確かにここは僕の中学の体育館だと思いましたが、一点だけ、違う部分があったんです。

「時計が・・・無い?」

体育館にあるはずの大きめな時計が無かったのです。

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