第222話 高宮君の怖い話~鏡の向こう側前編~
「では、夏合宿も決まったことだし、今日の怖い話でもしようか。」
「はい!それで誰が話しますか?」
「そうだな・・・誰か話したい者はいるかい?」
そんなのみんな話したいに決まって・・・あれ?
「あ~あたしはパス。」
「自分も今日は遠慮するでありマス。」
あれ~?何でお二人とも話したがらないんだ?
「優君はどうだい?」
「僕は話したいですけど・・・式子さんは?」
「では、今回は私もパスということで優君にお願いしよう。」
「わかりました。」
何でみんな今回は遠慮してるんだろう?
前回はあんなに話したがっていたのに・・・。
ま、話せるなら僕は大歓迎だし・・・ハッ!?
「気がついたかい優君。」
ま、まさか!?
「これからの合宿に向けて話のネタをもう使っちゃうなんて、優は豊富なのね~。」
「自分はストックが少ないので羨ましいでありマスな~。」
や、やられた!?
そうだよ!これから夏合宿に向けて25話集めないといけないのに!?
「いい勉強になったかな優君。」
「・・・はい。」
チクショウ・・・明日からは気を付けよう。
「こほんっ。じゃあ話しますね。これは臨海学校での出来事です・・・。」
「では、グループ分けしてください。」
これは俺が小学校四年・・・いや五年生だったかな?
夏休み前の臨海学校で起きた出来事なんだけど、当時は大騒ぎだったのを覚えてるよ。
俺が通っていた小学校は五年生の夏休み前に臨海学校が学校行事としてあって、夏休み中の海での事故など減らそうっていう目的と、自然の中から学べる事っていうのがテーマだった。
そんで臨海学校が終わると、終業式で夏休みっていう流れ。
この臨海学校が結構本格的で、4~5人のグループを作って、テントを自分たちで立てたり、カレーを作ったり、ウォークラリーやったり、海で遊んだりなどなどかなりてんこ盛りの三泊四日なんだ。
毎年行われていて、大きな事故などなく、せいぜいパンツの忘れ物とか、海での迷子程度だったんだけど・・・。
今年は、というよりも俺たちの代だけ違ったんだ。
「グループ分けは終わりましたね?では、グループ内での役割分担を決めてください。」
俺のグループは5人で俺、A、B、C、Dという感じだったかな。
俺「んじゃ、俺はテント立てるわ。」
A「僕も手伝うよ。」
B「えー!んじゃ、俺が料理当番!?」
C「いやいや。僕が料理当番するから。Bは・・・リーダーでもやってよ。」
D「じゃあ僕はCの手伝いするよ。」
俺たちのグループは結構簡単に役割分担が終わって、臨海学校に向けてあ~でもないこ~でもないってな感じでしゃべってたんだ。
そしたらある女子が変な話をしていたんだよ。
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