第192話 オカルト研究会の部室での出来事

昨日の式子さんの話はとてもゾクゾクして面白かった。

そして今日もまた式子さんの話が聞ける。

そう思って部室に来たのに・・・。

「どうして?」

「柑奈。今日は私が話すと言っているだろ?」

「嫌よ!今日はあたしが話すわ。」

何で二人は言い争ってるのぉ?

「全く聞き訳がないな。今日は私が話すと言っているだろ?なぁ優君。」

「え?あ、いや・・・。」

「式子の方が聞き訳ねぇだろ!な!優!」

「えっと・・・その・・・。」

「優君!」「優!」

「その、どうしてこのような事態に?ご説明をお願いしても・・・。」

「ハイ!自分がするでありマス!」

いつから僕の背後に!?

「ヌへへ~。優二等兵は男の子の割には良い匂いがするでありマスね~。」

しかも匂いを嗅いでるって!?

お前は犬か!!

「ほぉ。それは・・・。」

「興味深いわね・・・。」

ちょ!?お二人近いですって!?

て、てか!?お胸の四面楚歌!?

いや使い方的にはおかしいけど・・・って!そんな場合じゃねぇ!!

こんな至福ゲフンゲフンッ。場違いなことがあって言い訳・・・いや、ちょっとぐらい贅沢しても・・・。

「ふへへ。なんならもう少し天国に連れて行ってあげましょうか?優二等兵。」

「え?」

「・・・優君の馬鹿。」

「ふぇ!?」

「やっぱ優も男よね~。」

し、仕方ないじゃないか!!

僕だって男の子だもん!

「そ、そんなことより怖い話ですって!この状況をご説明頂いてもいいですか麒麟園さん。」

「実は優二等兵が来る前、式子総司令が柑奈軍曹に自慢話をしたんでありマス。」

「自慢話?どういう?」

「ふふ。優君は私(の話)が好きと言ったということさ。」

うん?確かに言ったね。

それで?

「優はあたしの糞親父の話しも聞きに来るほどに熱心なんだから当然!あたし(の話)が好きに決まってるでしょ!」

まぁ柑奈さん(の怖い話)も好きですけど。

「そのじゃれ合いから今に至るってことでありマス。なんなら今日は自分が・・・。」

「「千夏は黙っててくれる?」」

おおう。息ぴったり。

「まぁ、こんな感じでありマス。」

なるほどなるほどわからん。

「優君は私(の話)の方がいいよな?」

「いいえあたし(の話)よ。ね、優。」

「う、う~ん・・・。」

「責任重大でありマスね~。ふへへ。」

こいつ笑ってやがる。

これは・・・うん!

「じゃんけんで決めましょうか。僕お二人(の怖い話)好きですし。」

「「・・・。」」

「ダメ、でしょうか?」

「・・・し、仕方ないな。」

「そうね。仕方ないわ。」

うんうん。お二人のお怒りが収まって良かった良かった。

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