第49話 高宮君の怖い話~開けて。前編~
「続いて柑奈はその大きな胸だね」
「な、なによ。」
「その胸に飛びついた男子は君のキツイ性格に撃沈。女子も女子で狙っていた男子を君に取られて撃沈。よって部から離れていく。」
「こじつけ過ぎない!?」
「そういう例を俺はいくつか知っている。つまり俺ばかりが悪いわけではないんだよ。理解できたかな子犬ちゃん。」
ウインクしないで頂きたい。
「ま、まぁ過去のことは変えれませんからこれからを考えて行きましょうよ!ね!」
「うむ。優君の言う通りだ。過去を振り返ってばかりでは前には進めない。私たちオカルト研究会は前に進むべきだな。」
「そうね。そんな理由で辞めていく奴らは最初っからオカルト研究会にはいらないわよ。」
「君たちは良いことを言うね。俺もそう思うよ。」
何故だか知らないが、まとまったので本題に戻そう。
「えっと、僕の怖い話でしたよね?」
「そうだ!子犬ちゃんの怖い話を俺に聞かせて欲しいんだ。」
「わかりました。では、話します・・・これは友達から聞いた話です・・・。」
A君は風邪をひいてしまい、自分の部屋で寝込んでいました。
「いいの?」
「うん、大丈夫だよ母さん。だいぶ熱も引いたし、安静に寝てればいいだけだしね。」
「けど・・・。」
「久々の同窓会でしょ?いつも頑張っているんだから行ってきなよ。それに帰りが遅くなっても夜には父さんも帰ってくるし。」
「そう?本当に一人で大丈夫?」
「心配性だな~。僕は寝てるだけだから心配ないって!」
A君は母親の背中を押し、同窓会に行くように促しました。
母親はかなり渋りましたが、結局同窓会に行くことにしたのです。
「さてと、リンゴでも食べるか。」
A君は母親がすりおろしてくれたリンゴを食べながら部屋でテレビを見ているうちに、眠ってしまいました。
コンコン。
何かを叩く軽い音にA君は目を覚ましました。
「んへ?いつの間にか寝ていたのか~。」
目をこすりながらリビングに向かうA君。
すると・・・。
コンコン。
また何かを叩く音が聞こえたのです。
「ん?何の音だろう?」
辺りを見回すが、何処から聞こえてきたのかわかりません。
「・・・気のせいかな。」
A君は音を気にすることもなく、自分の部屋に戻りました。
するとすぐさま、コンコンっと聞こえてきたのです。
「え?誰か来たのか?・・・どうしよう。」
今度は玄関から音がハッキリとA君には聞こえたのです。
「し~らない。」
けれどA君は応対するのが嫌だったので居留守を使うことにしたのです。
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