第18話 日曜日の活動~その1~
日曜日と言えば、学生のほとんどが休みで友達と遊んだり、家でのんびりしたりしている人が多いのだろう。
僕のように朝早くから学校に向かっている人なんていないんじゃないか?
そんなことを考えながら下駄箱から上履きを取り、履きもせずに部室に向かう。
上履きを履く時間すら億劫に思うぐらい早く活動を始めたい。
「式子さん!」
元気よく部室に入るとそこには式子さんはおらず、代わりに眼鏡をかけた文学少女のような女子生徒がいる。
「ん?」
僕の声に反応し、こちらの様子を窺ってくる。
「あ、え?あれ?」
間違えたのかと思い、一旦部屋の外に出て確認するが間違っていない。
「あの~?」
「んだよ?」
威圧的な声が返ってくる。
「えっと、その、ここってオカルト研究会の・・・。」
「そうだけど、何?」
間違いないことを確認できたので、おそらく式子さんが言っていたオカルト研究会の仲間の一人なんだろう。
「あ、僕、高宮優っていいます!今年からオカルト研究会の仲間になりました!これからよろしくお願いします!」
「あ~はいはい。」
手をひらひらと動かし、煩わしそうに適当に相づちされる。
「あ、あの、ところで式子さんは・・・。」
「あ?式子?あいつはまだ来ねぇよ。だいたい今何時だと思ってんだよテメェ。」
「え?」
時計を見ると、まだ9時を過ぎたばかりである。
「式子に言われなかったか?日曜の活動は10時からだって。」
「い、言われました・・・。」
「なのに式子がいる訳ねぇだろ。馬鹿かテメェは?」
見た目は物凄くおしとやかな文学少女なのに、性格はヤンキーだなこの人。
「すみません。」
「何で謝んだよ?意味わかんねぇ。」
逃げ出したい気持ちが大きくなるが、ここで逃げだしたらいけない気がしたので、とりあえず椅子に座る。
「あの・・・。」
「んだよ?」
「えっと、貴方はどうしてこの時間に?」
「ああぁ?」
「・・・すみません。」
怒らせるようなことを聞いたのかもしれないと、とりあえず謝る。
「・・・あたしは早起きなんだよ。」
「へ?」
「朝、勝手に目が覚めちまうんだよ。家にいてもつまんねぇし、だから8時にはここにいるんだよ。」
「そんな時間に校門は開いてるんですか!?」
「開いてるよ。尾口ちゃんがもっと早くに来てるかんね。」
尾口先生もなんでそんなに早いんだろう。
「それから!あたしは貴方じゃねぇ!あたしの名前は
「いえ、言われてません。」
「は?」
信じられないものを見る目で見ないでください。
「あの、誰の名前も聞いてないです。」
「マジかよ?」
「はい。」
「・・・ごめん。」
なんか、悪い人ではないと僕は思った。
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