第46話 風邪に舞う - 病院へ行こう
拙作
青空と黄色い筒
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893621616
は、もうお読みいただけただろうか。
春風に舞う、等とコピーを付けてみたが筆者本人は風邪に舞っているのだ。
クリスマスにひいた風邪で十日間、動けず、高価な市販薬、四箱を費やしたところで治ったと勘違いし、寒風吹きすさぶ中、何時間も単車に乗ってしまったのである。
その後、症状は再悪化し、咳が止まらない、鼻水が出る、熱は三十八度、何か口にすれば噎せ返る、当然、辛い、しんどい、と、どうにもならなくなった。
近況ノートに読者さんから「この風邪薬が良い」と書き込んでいただいたので試すが、残念ながら功は奏せず。
本日、意を決して近くの総合病院を訪ねた。そう、意を決さないと行けないほど私にとって病院の敷居は高い。単純に怖いのだ。何をされるか分からない。何処か悪い部分が見付かったらどうする。獣医の所へ連れて行かれるペットの気分はこうなんじゃないか、と思うくらいだ。
窓口で症状を告げると、取り敢えずマスクを掛けてくれ、と言う。もう危ない患者扱いだ。問診票に記入し、血圧、酸素の数値を測定すると、先ず胸のレントゲンに回された。
「肺炎とか、最悪、肺ガンとか、そんな疑いがあるのか」
脳裏を過ぎるのは暗いことばかりだ。
暫くして呼ばれた。
「七紙野さん、内科二診にお入り下さい」
ノックして診察室の扉を開ける。比較的、若い医者と目が合った。
彼は一通り症状と経過を聞いた後、肺の写真を指し示し、
「肺に問題はなさそうです」
僅かだが心が落ち着く。
彼は説明を続けたが、結果を纏めると、
「風邪がぶり返した後、長引くと喘息のような症状を呈することがあります。多分、それでしょう」
気管支を広げる貼り薬と吸引剤、それに飲み薬を処方され開放された。
ここで開放、という言葉が相応しいくらい私は病院が嫌いだ。
尚、
「市販薬、五箱は飲み過ぎです、今回の薬は市販薬と併用しないでください」
と、釘を刺された。
そらそうだ。銘柄、メーカーを買えつつとはいえ、効かない薬を飲み続けても良いことはない。しかも症状が喘息的なものに移行しているのなら風邪薬の出番ではない。
会計を終え、薬局で薬剤を受け取り帰路につく。
帰宅した後、夜、就寝する前に飲むように指導された薬以外を使い、幾らか食事を取った後ベッドに入った。
先ほど目覚め、これを書いている。若干、楽になったような気がしないでもない。熱も下がったようだ。
しかし、そう休んでもいられない。早く完治させねば。
そこの風邪ぐらい、と、考えている私と同じ様な貴方、病院が待っています。
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