第19話 男のロマン


 マリアさんはシャツのリボンをほどき、床にはらりと落とす。

シャツのボタンを上から順にあけ、白のレース付ブラが少し見えてしまっている。


 カチューシャも床に落とし、エプロンを脱ぎ、それも床に落とす。

その間、一歩一歩俺に近寄ってくる。


 見るな! 見たら奴の術中にはまるぞ!

しかし、それはできん! 生メイドの生脱ぎ!

一生に一度あるか、無いかの大イベントだ!

たとえ騙されても、最後まで見る!




 スカートのチャックを下し、ホックを取り、ぱさっとスカートも床に落ちる。




 黒のニーハイに白のシャツ一枚。ある意味男のロマンが目の前にある。

シャツのボタンも全てとれており、隙間から真っ白なブラとシマシマ紐パンが見え隠れする。

 

 頬を赤くし、俺にゆっくりと歩み寄ってくるマリアさん。


「純一様……。ずっと、お慕い申し上げておりました……」


 俺の胸に飛び込んでくる半裸のメイドさん。

しかし、棚にある萌えフィギュアと特大魔法少女ポスターのせいである意味集中できない。


 俺の胸の中に半裸のメイドさん。

半裸のメイドさんが、俺の胸の中に。


「は、早く……。お願い、私をめちゃめちゃにして!」


 づっきゅーん! めちゃめちゃ! めちゃめちゃって なんすか!

もっと、具体的に初心者でもわかるようにお願いします!


「マ、マリアさん?」


「純一様が、来ないのであれば私から!」


 って、結局こうなるんかい!

俺は半裸のマリアさんに押し倒され、そのままベッド淫。

じゃなかった、ベッドイン。


 俺の上にはマリアさんが覆いかぶさっている。

おっきめのパイは俺の胸を圧迫する。


 上目で俺を見ながら、頬を赤くしているマリアさんは結構可愛い。

でも、まだ一線を越える訳にはいかない。


 と、そんな事を考えていたら、俺のシャツの中にマリアさんの頭が入って、何かもぞもぞしている。おっふ、マ、マリアさんくすぐったい!


「はぁはぁ、純一様の腹筋、胸板……。私、このまま死んでも悔いはありません!」


 いやいや、この状況で死なれたら俺が疑われる。


「マリアさん、ちょっとくすぐったいですよ」


「っんはぁ。じゅ、純一様の肌すべすべですね……」


 全く聞いてないし……。

早く何とかして離さないとまた俺の四四マグナムが……以下略。

しかし、女の子のモフモフされるのも悪くないな……。

ちょっと気持ちいいかも。


「おぅ! マ、マリアさん! 舐めないで! く、くすぐったい!」


 マリアさんは俺の腹筋から胸にかけ、チロチロ下で舐めてくる。

時たま吸われ、一部べろべろにされ、時には舌先で突っつくかのような動き。

エロいっす。マリアさん、マジエロいっす。


「んっ、はぁ……き、気持ちいい……。純一さんの味。匂い。感触……。全てが私の物に……。」


 いやいや、なってないなってない。

マリアさんは片手を俺のビーチクに。

もう片手を自分の下半身にあて、何かしている。

舌でチロチロ俺を舐めるのがそんなにいいものなのか?



――コンコン!



 おおおぅぅ! だ、誰だ! この状況! まずくないか!

ど、どうしよう! どうしよう! 

ん?どうもしなくていいのか?

そうだ、特に気にしなければいいのでは?




 良くない! まったっく良くない!

は、早く返事をしないと!


「は、はーい!」


『兄さん……。今、時間ありますか?』


 妹の由紀か! なぜこのタイミングで!


「ちょ、ちょっと待ってね!」


 考えろ、どうすればみんな幸せのままこの状況を突破できる?

考えるんだ……。


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