桜の記憶
こういった問題点を全てハッピーエンドに持っていくことは、今日の戦い以上に難しいことかもしれない。
避けて通れない課題である以上、この先必ずどこかでぶち当たる。
(何とかなんのかな……)
解決策など見当もつかないが、今はとりあえずこれで良い。
疲れきった頭ではあまりに難易度の高い問題に、すぐに思考をシャットアウトする。
いずれ問題に直面したとき、そのときまだ自分が桜の側にいれば、共に考えれば良いだろう。
ひとまずはそれで結論を出したことにして、俺は片桐を抱え上げた桜と歩きだす。
「……」
途中、一度だけ振り向いて見上げた廃墟は、俺たちが初めて出会ったあの頃のまま、暗い闇の中にただ静かに鎮座する姿を晒していた。
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