桜の記憶
こちらに顔を向けているのはわかるが、表情までは判断しきれない。
ただ、被っている帽子や服装の特徴から相手の正体だけは目星をつけることができた。
(警察……か?)
そのシルエットを見る限りでは連想できるイメージがそれしかない。
こちらの話し声か物音でも聞きつけてしまったか、それともたまたま居合わせてしまったのか。
何にせよ。
(ばれたらまずい――!)
こんな場面を咎められたらいろいろと面倒だ。
ましてや桜は今屋根の上。
そんな所に女子高生がいるなんてばれたら不審どころの話ではなくなるし、万が一何事もないかのように飛び降りてこられたら驚かせるでけでは済まなくなる。
下手すれば桜自体が変に疑われ――。
と、そこで俺は気づいた。
一瞬当たり前のように目の前の展開を受け入れそうになったが、これはおかしいことなのではないか。
(この人……、何でここにいるんだ?)
今現在、ここら周辺は桜の能力によって隔離されているような状態のはずではないか。
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