第27話 現在の状況

仕事を終え屋敷に帰り着くとリズから「セバスチャン様湯浴みの準備が出来ています」と伝えられ「ありがとう。今から入るから他の準備を頼むね」



浴室に行き身体の汚れを落とし湯に浸かると「ふう~」とため息が出る



現在の状況を整理しよう

◦坂路コースの建設・・・コースの整地完了。現在、戻りもどりみちの森林伐採に整地の最中、コース側のさくは後、二~三日で完成し

ニスを塗る。コースの傾斜を測る測定器の開発も完了し測定を行いながら

コースに勾配を付けている

◦蒸気機関の開発・・・技術者に渡した想像図と蒸気の力と利用方法を説明

後、もうすぐ試作品が出来ると報告を受けている。もう少し時間が必要な為

ウッドチップ作成の機械の開発も動力部の開発を待つ段階である

◦セバスチャンの女性関係・・・母上と話し合った結果、リン、ミソラル

以外は競馬前に清算する事と厳命される(叙爵された後だと取り入ろうと

したりする事を考えて)

◦厩舎関係・・・一週間後から新しいスタッフが入る為、サポートを行いながらの作業になるので効率が落ちる事に対する対策(マンツーマン指導を

行う予定なのでセバスチャンがサポートに入る予定)



一番急ぐのは厩舎の運営方法で新スタッフが作業を覚えるまでの時間を考え

る為に明日、現スタッフでミーテイングを行う事を決める



「セバスチャン様大丈夫ですか?かなり長く湯に浸かられている様ですが」



「リズすまない。考え事をしていたから。今から上がるから夕食の準備を」


「畏まりました」とリズの返事を聞いてセバスチャンは湯から上がる



着替えて食堂に向かうと今日は母上がパーティーに出掛けている為不在で

エリータが食事を取りながらターシャと会話をしていた

「母上がお帰りになられたのにお兄様が屋敷に居るなんてどんな魔法を

使われたのですかねターシャ?」


「エリータ様、多分セバスチャン様の事ですから土下座でもして屋敷に

住めるように懇願したのでは無いでしょうか?それはブタの様にブヒブヒと

泣いたに違いないと思います。間違いないです!」



酷い!酷過ぎる。セバスチャンが居るのを知っているのに何て散々な言われ様の事か。アンナが椅子を引き座り二人に文句を言う


「散々過ぎるけど私は人以下なのかな?エリータは兄をターシャは家人を

立てる気持ちが無いのかな?私このままだと人間不信になるよ」と演技交

じりで話すと二人から「「当然です!今までの行いを見ていますので断言

出来ます!」」酷い・・・・・シクシク泣いたふりをしているとエリータ

から「お兄様、大丈夫ですから二人で揶揄っただけですから。今のお兄様

は心配していないですからね。ターシャもそうでしょ」

「はいエリータ様」



揶揄われているとは思っていたけど少しショックだったセバスチャンは

早々に食事を終えると部屋に戻った


ベッドに寝転がり明日からの事を考える「今、出来る事は厩舎と女性関係

だから明日、イルメス商会に行くついでにジェニファーに話す事にしよう。

そして競馬前には整理を終わらせないとね。彼の本心を知ったからにはね」



そして意識を手放し休む




朝を迎え何時もの様に厩舎に着くと直ぐにライアン、ミシェル、タイムの

三人から相談を受ける

「セバスチャン様、飼い葉の件ですが最近納品された燕麦えんばく

品質が悪いです。なので馬達も飼い葉を残していますので早急に対応したい

のでお願い致します」


「わかった。今日の昼からイルメス商会に行く予定だったので話しをして

新しい燕麦を納品させるよ。後、今からアーサー様の所に行き他の厩舎でも同様の燕麦が納品されているか確認してくる」

「「「お願い致します」」」


早速前回納品された燕麦を見ると品質の悪い物だった。

「おかしい。イルメスに限ってあんな粗悪品を納品するなんて廃棄する分と

間違えて納品したのではないかな」


燕麦を小さな袋に入れてアーサー近衛騎士団長の執務室に行き説明すると他の厩舎からはクレームは来ていないとの返事だったので昼からイルメス商会

に行く事を伝えてから厩舎に戻る



「何があったのかな。エイダン殿に詳しく聞く必要があるな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る