愛おしい季節
溶け出した氷がたまらなく愛おしい理由を考えていた。
ひんやりと冷たく、そこにあったものが、その冷たさだけのこして、姿を変えて。
不変的なものが好きだけど、氷のそんなところが好きなのだ。
季節が変わることが当然のように。
暑いと犬が舌を出すことが当然のように。
氷も溶けていくのが、当たり前なのだ。
まださすように冷たいこの場所でも、
春が来るのだから。
きっと、もうすぐ。
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