「ごめんね、さようなら」
どろどろの塊を、わたしの大好きな唇から吐き出したあの日から、もう決まっていたことがあるの。
バスや電車の座席もきっと君にはないまんま。駄菓子のあたりは出ないし、じゃんけんで勝つことも、これからはないの。
新しい靴で道を歩けば、ガムを踏んじゃうし、セロハンテープの切るところで指を怪我するし。
あと、出かけるときは必ず鍵をかけたか忘れるわ。
もちろん電気もガスもつけっぱなし。
お風呂のお湯も蛇口は開いたまんま。
どれもこれも、それもあれも、ぜんぶ、ぜんぶきみのせい。
でも、わたしがいたら、ぜんぶ、ぜんぶ上手くいったのにね。
でも、もういいよ、わたしもさようなら。
これから頑張ってね。
わたしの知らないところで、
頑張って生きてね。
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