銀河味、または別れ

くちびるが離れていくときの体温の変わり方が好きだった。

きみが消えていく体温が、酷く愛おしくて、かなしくて。


いっしゅんのあいだに存在している、流れ星みたいな大切さが胸いっぱいに広がっていた。多分、銀河とも似ていたんだと思う。


レモンの味はしないけど、たしかにきみの味というものをわたしはその時にしった。


あの瞬間きっとふたりはひとりになったんだけど、孤独がたしかに、ひっそりと産声をあげていた。


今でも覚えている。

あのひとつの流れ星の大切さを。


銀河を感じたその時に、愛おしく消えていった体温と共に、凪のように、あの時間が続けばよかった。



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