昭和の喜び、令和の喜び

 先日、風呂に入っていました。そしたら台所から電子レンジのウィーンという音が聞こえてくるんです。「ウィーン」「ピー」「ウィーン」「ピー」「ウィーン」「ピー」……何事?


 風呂からあがって見てみたら、電子レンジじゃなくてスープメーカーの音でした。角切り野菜と水とコンソメを入れると、30分くらいでポタージュができるという機械です。


 野菜を煮て、攪拌・粉砕。その音だったんですね。お仕事ご苦労様です。もし機械に労働基準監督署があったら、まちがいなく我が家は踏み込まれてます。「この家、機械を使い過ぎ!もっと機械の労働時間を考えなさい!」


 そのくらい調理家電さん達は一生懸命仕事をしてくれます。丁寧な仕事ぶりで、料理を一品。人間は材料を入れるだけ。そう、「火加減をみる」「かき混ぜる」という手間から開放されてる。


 そういえば田舎の親戚の家には土間がありました。かまどでご飯を炊いていたころの名残ですね。両親の小さい頃は、風呂を沸かさなきゃいけないから山で薪を拾ってくるのが子どもの仕事だった、とか。


 ご飯を炊く、お風呂を沸かす。そういう「ずっとついてなきゃいけない作業」から開放される。凄い進歩です。その昭和の喜びが、令和の時代には「ずっとついてなくても料理が完成する」というのに変わったんですね。


「そんなの手抜きだ!楽することばっかり考えやがって!」なんてどこぞの頑固親父には叱られちゃうかしら。だけど、ご飯や風呂を薪でたく人、今はもういませんもんね。つまりそういうこと。

 

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