第103話 次の人

結婚以来、あの人の髪の毛は私が切っている。

ちょっと癖のある髪のあの人の髪型は、美容室で切ってきれいにセットされて帰ってきても、その日かぎり。自分でセットできないので、まあはっきり言って、ちゃんと切っても適当に切っても、あんまし変わらないのだ。

で、私が100均で買ったハサミで、1ヶ月に一度ぐらいの間隔でチョキチョキしている。


昨日、リビングでカットしながらふと思った。

「ねぇ、私が死んだら、あんた誰に髪の毛切ってもらうの?」


「え、? 次の人に切ってもらうから大丈夫だよ」







再婚するつもりらしい。






ま、いいけど。





「え〜、それは困るー、オレより先に死なないで」

なんて言うわけないか。





よーし。

私が死ぬまでにあいつの髪の毛が無くなるように祈っちゃおう。

あれ?呪っちゃおう のほうかな。


( ͡° ͜ʖ ͡°)ニヤリ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る