第92話 ラッキーナンバー11

暑い。

梅雨があけたらしい。


休みの日はなるべくゆるりとした部屋着でリラックスしたい。

突然に宅急便が来たら困るが、その時はアイツに対応させれば良いのだ。


私はソファーに座り、スマホ。

アイツは座椅子に座りテレビ。


そんな昼下がりのこと。


「ねー、それ、わざと?」と寝転んだままアイツが私に言ってきた。

「ん?」

「それ。 足の毛、2本すごいの生えてるよ」

「うん。わざと。今年のトレンド。」

心の(キャー! 恥ずかしい! そんなの見つけないでよ!!! わざわざ言わなくてもいいじゃない! ひどい! 失礼!!)という声を出したら負け。のような気がして。

しれっと、わざとだと答えた私に。


「へ〜、そうなんだ。ラッキーナンバー11だねー」と言うアイツ。


「11?」


「あ!!! もう一本あった!! ひゃくじゅういちだね!!! 見て! こっちも!!」


もう後に引けないので

「流行り。今年はスネゲがカッコいいのよ」ということで通しました。

ハリウッドセレブの間では、去年から流行ってるらしいよ。皆さん植毛までしてるらしい。



つー事にしてくれ。


アイツ、気が付かなくていいことばっかり気がつくの。ほんとにムカつく。




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