第16話 性格が悪いのは遺伝と言う
あいつは、私を黙らせる術を知っている。
私がたまりかねて
「あんたさー、ほんっとに性格悪いねっ!」
ぷんぷんと怒りを爆発させると、
しれっとした顔をして
「ごめんね、遺伝なんだよ」と いう。
私は「んぐぐ。」と何も言えなくなってしまう。
ご両親の性格を責めているつもりはないし
感謝こそあれど、恨みはない。
ただし。
お二人とも妙に癖がある。
個性というか…、あく。
多少のエグミがあるのである。
好きな人にはたまらないが、気になると舌の袖にイガイガと残り後味が悪いのだ。
あ、あれあれ?
やばいぞ。
いつの間にか、やんわりと
あちらのご両親の悪口になってもうた。
やられた。
これが、あいつの作戦なんだ。
いつの間にか私の方が、義理の親をディスる性格の悪い嫁にすり替えられているじゃないの。
恐るべし術…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます