ヒトノモノ

作者 Kusakari

45

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★★★ Excellent!!!

この作品は複数の登場人物からの視点で構成されており、それぞれが自分の苦悩を持ち、それに藻掻いているシーンが沢山描かれている。所々に古典文学のオマージュ(漱石かな?)が施されていて、知っている人ならニヤリとする箇所もあるだろう。

人が異性を好きになるとは、一体何なのか。「好き」は性愛の対象と何が違うのか。「愛」と「好き」に、どれほどの差があるのか。「性愛」に卑しい印象を受けるのはなぜなのか。

潔癖な人格と衝動的な性とのミスマッチに、この作品の彼らは苦悩し続ける。
しかし、これは特別な苦しみではないだろう。
性というものを知ったときの衝撃に打ちひしがれる一人の人間の姿が、ここにある。