第13話

 そして、私の頭のなかで自殺したいという気持ちから先生に紅茶を淹れてあげたい。

 そんな気持ちで溢れた。


 その日の夜。

 私の知らないところで、世界が動く。





「ねぇ、君たち。

 いじめをしているだろう?」


 そういったのは先生。

 そう言われたのは私をレイプしていじめている名前も知らない男子生徒たち。


「ああん?

 先行がしゃしゃりでてんじゃねぇよ!」


 男子生徒がそう言って、問答無用に先生を殴る。

 先生は、黙ってその拳を受け止める。


「ああん?

 もしかして、アイツ。

 先行にチクったんじゃねぇの?」


 女子生徒が、そう言って先生を足を踏む。


「君たちがやったことは、犯罪だよ?」


 しかし、先生も負けていなかった。


「犯罪?ただのスキンシップだよ!」


 男子生徒がそう言ってケラケラと笑う。


「なにがおかしい?」


 先生の目が鋭くなり生徒たちを睨む。


「いいじゃないか!

 セックスしても何かが減るわけじゃないしさー」


 男子生徒の1人がそう言うと別の男子生徒が言葉を放つ。


「むしろ増えるんじゃね?」


 その男子生徒が何かを思いついたように笑いながら言う。


「なにが増えるんだい?」


「こーどーも。

 俺ら少子化対策に貢献したんだぜ?

 むしろ表彰もんだよな!」


 先生は、その言葉に怒りを覚えた。

 そして、その男子生徒の顔を殴り飛ばした。


「あ、問題行為発生!

 きっちりと動画に収めましたー」


 女子生徒が、そう言ってスマホを先生の方に向けていた。


「いいね、沢山貰えるんじゃね?」


 別の女子生徒がそういうとスマホから動画サイトにすぐにアップした。


「あーあー、これでお前の人生も終わりだ」


 男子生徒がそういうと先生の顔を再び殴った。


 そのあと、遅くまで先生はその場で男子生徒たちに殴られ続けた。

 そして、次の日……

 学校では、先生が生徒を殴った動画が拡散され教育委員会の元にもすぐに耳が入った。


「君は、なんてことをしてくれたんだ!」


 校長先生が、先生に怒鳴った。


「すみません」


 先生は理由も言わず校長先生に怒鳴られ……

 教師をクビになった。


 そして、それが地獄の始まりだった。


「おい!

 お前なにセンコーにチクっているんだよ!」


「ご、ごめんなさい」


 私は謝るしかできなかった。


「とりあえずお前は今日からペットだ。

 俺たちに忠実なペットだいいな?」


「……いや」


 私は、否定した。

 涙を流して否定した。


「お前に拒否権なんてねぇんだよ!

 お前がセックスしているときの動画、ネットにアップするぞ!」


 男子生徒は、そう言って私の胸ぐらを掴んだ。


 そして、毎日毎日私はレイプされ続けた。

 そして、生理が来なくなった。


 私は、どうしていいかわからない。


 そんなとき工事現場で交通整備をしている先生に逢った。


「先生!」


 私は、先生の顔を見ると安心と不安の入り混じった涙がぼろぼろと溢れる。


「あ、君は……」


 先生は、小さく笑顔を見せそして手を振ってくれた。

 そして、私は先生の胸の中に飛び込む。


「先生!私、私、どうしていいかわかんないです」


 私は、先生に全てを打ち明けた。

 整理が来なくなったこといじめのこと毎日続くレイプが続いていること。


 そして、先生が言ってくれた。


「警察に行こうよ。

 僕もついていくから」


「でも、レイプされたことなんて誰にも知られたくない」


「でも、それじゃ……」


「わかっています。

 でも、もういいんです。

 私、これから死ぬつもりです。

 先生に出逢えてよかった」


 すると先生がいう。


「紅茶を淹れてくれるんじゃなかったの?」


 先生の言葉に私は驚く。

 それ以上に涙を目にためてそう言ったその顔を見れただけで、なんだかしあわせになれた。

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