さらばデンゲル人テレスと仲間たちその22
今も仲間であるデンゲル人テレスとその仲間たちとの約束を果たすため、さらにひだまりの国を第二のデンゲル、ガチスにしないための戦いは続きます。
かつてデンゲル人を優遇する法律がひだまりに存在した時、それを多数派工作で撃ち破ったのは他でもないコウメイたちでした。
そのコウメイたちがまさかデンゲル法を復活させるわけにはいきません。
コウメイが行政に働きかけたのはひだまりもデンゲルも関係ない人権に関する法律の厳格化でした。
具体的にはメディアにおけるデンゲル憎しの論調に対して、行政指導を行うように働きかけました。
指導ということで強制ではありませんでしたが、これで多少は勢いを削ぐことに成功しました。
また、ヒキコモリーヌたちとも相談の上、企業がスポンサーとなる番組の選別を促すように経済界の重鎮とも会合を重ね、コンセンサスを得ました。
実は最初、経済界はこのコウメイたちの危惧に対して鈍感でした。
しかし、ここで感情的にならないのが、情報戦を戦い抜いた百戦錬磨の彼らの強みです。
デンゲル差別が過激になれば、民衆は次に上級国民にその怒りのエネルギーを向ける可能性をとくとくと説明しました。
財界にとって治安の悪化は悪夢以外の何物でもありません。
まして直近ではガチスとデンゲルの国土が治安の悪化でズタズタにされ、もちろん経済的にもめちゃくちゃな状態なのは周知の事実でした。
経済界に崇高な人種云々を期待するのは難しいですが、そろばん勘定なら彼らも十分理解できます。
ひだまりの大衆の熱気に対して多少の警戒感を持ってもらえれば、それだけメディアもスポンサーの意向を踏まえて放送することが期待できる!
それがコウメイたちの狙いでした。
さて、次はある意味もっとも難関なSNS対策です。
彼らに出来ることはあるのか、そして効果は期待できるのか。
テレスとの別れの後始末はまだまだ続きます。
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