メディア改革その8
「自由主義国を守るための情報関係者管理法」通称「反ガチスメディア法」の情報は徐々に広まっていきました。
とりわけメディアとガチスやデンゲルという国家に近いひだまりの人々は強い関心を示していました。
当然のことです。
彼らを狙い撃ちすることを意図した法案であることは明白だったからです。
噂によると、最高刑は死刑であること。
様々な法の網を用意していて、一網打尽にすることを意図していること。
情報の提供や逆に情報の依頼、あるいは金品の受領やそれに類する利益供与なども捜査、厳罰の対象になるという話も流れ込んでいました。
そして、SNSなど巷の噂ではこの法律がもし施行されたら、メディアの半分は逮捕されるのではないか?といった情報が庶民の娯楽的な喝采と共に拡散されていました。
なにしろ、ガチスやデンゲルを持ち上げてひだまりの民を散々馬鹿にし、見下してきたのはメディア自身でした。
そして、彼らの強い後ろ盾であったガチスやデンゲルの影響は霧散し、強大なソーラー連邦とひだまりの大衆の敵意が彼らに向かっていました。
将来に対するあまりの恐怖に、ヒステリックなコメントと共に法案に反対するメディア関係者も複数現れました。
かつて、多くの報道番組の司会をした老齢の政治評論家、メディアの覚えがめでたかった芸人や俳優、大学教授などです。
しかし、一般大衆の殆どはガチスやデンゲルを嫌っていました。
ガチスを嫌うひだまりの民はアンケートによると80%強、かつては毎日メディアがごり押ししていたデンゲルも約70%というひどい嫌われようでした。
そして、そうした発言をした者たちは一人、また一人とテレビや新聞から姿を消しました。
理由ですか?
それは今までは視聴者や読者からクレームが来ても、ガチスやデンゲルの息のかかった企業がスポンサーにいたため無視することが出来ました。
しかし、この時期になるとそうしたスポンサーもお上から目を付けられるのを恐れて今まで好んで重用していた彼らを敬遠するようになっていたのです。
企業にとっては「金の切れ目が縁の切れ目」であり、本気になったひだまりの行政府にケンカを売る蛮勇はもうありませんでした。
まだ、法律が表に現れる前からこの慌てようです。
傲慢なメディアの裁きの日は刻々と近づいていました。
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