紛争ぼっ発

それはひだまりの国からはるか遠い地で起きた出来事でした。

ガチスと国境を接するとある川の中州、島のような場所で突発的な紛争が起きました。


もともと、ガチスは軍事的に拡張主義を取っており、ここ最近は各地で挑発行為を繰り返していて、一部の軍事評論家の間ではいずれ現場で偶発的戦闘が起きるのではと危惧されていました。


実はこの紛争は小さな火花ではなく、後に続く大きな戦乱のきっかけとなる出来事でした。

実はこの紛争の相手国はソーラー連邦の同盟国であり、軍事的保護国でした。


そして、ソーラー連邦はこのガチスの暴発を望んでいた節があったようで、まるで準備していたかのようにガチス国境や紛争が起きそうな地域に軍隊を派遣する決定と実際の兵力展開を行っていきました。


ガチスの方は当初穏便に済ます考えもあったようですが、それを意思表示する前にソーラー連邦に一方的にやりこまれてしまい、その機会を逸してしまいました。

ガチスの首脳部としては、お茶を濁しつつ、この紛争をうやむやにしながら徐々に鎮静化させることを望んでいました。


しかし、ソーラー連邦はそれを許さず、国際社会に訴えてガチスのメンツが丸つぶれになるような条件を提示しながら非難を続けていきました。

この手の紛争は先に手を出した方が、宣伝戦として極めて不利になります。


そして、ガチスはメンツをつぶされることを何より嫌い、恐れていたために国際社会に「ごめんなさい」が出来ませんでした。

もはやガチスに「止まる」という選択肢はありませんでした。


元々ガチスは軍事国家です。

頭を下げることも、外交で丸め込むことも苦手な国家でした。

ガチスの中枢部にいる軍部を止めることなど不可能に近い国家管理をしていたため、紛争は収まるどころか広まる一方になりつつありました。


さて、この一大事がひだまりに、ガチスに、デンゲルに、ソーラーにどのように影響したのか?

次回紹介したいと思います。

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