ひだまり奪還の狼煙その2
物事には相性というものがあります。
地方の若手官僚は基本オールマイティです。
何がオールマイティかと言うと人付き合いのことです。
政治家や役所の上役、商工会のお偉いさんたちとは内心はともかく外面的には上手くやっています。
権力や財力を持つ人々ともうまくやっている場合がほとんどです。
そして、一般市民に対しても友好的です。
ずいぶん昔は「お役所仕事」などと揶揄されて、市民から嫌われた時代もありました。
しかし、市民の声とそれに応えるように役人たちが仕事や手続きの改善を進めた結果、一定の信頼を得ることが出来るようになりました。
そして、クレーマーとしてはとても厄介な人々に対しても耐性が出来ていたため、そうした層に対しても恨みを買う割合は少なくなりました。
そして最後に障碍者や生活保護を受けている人々に対してもその実態と対策を長年培ってきました。
もちろん完璧ではないにしてもある一定の信頼を勝ち得ていることは事実でした。
しかし、そうした地方官僚たちから見ると、上に挙げた人々の関係は必ずしもよくありません。
商工会の一部の人々は障碍者や生活保護に対して敵対的な思いを持っており、それは逆から見ると低所得者層からは上級国民を毛嫌いするきらいはありました。
一般層は人数は多いですが、それだけにまとまりがなく全ての思いをくみ上げるということは無理でした。
そこで、地方の若手官僚たちは地方選挙対策として彼らの特性を分析した上で、お互いがもめないように調整することに苦心しました。
誰がえらいかという話をしだすといろいろもめることが分かり切っていたので。それぞれの立場の代弁者を応援することに神経が集中するように話題や議題を意識するようにしました。
NO1ではなくONLY1の地方議員候補をそれぞれのクラスタ、利益共有者たちで担ぎ上げるという方式で共倒れを防ぐように調整したのでした。
小さな小競り合いはあったものの、地方の官僚たちの頑張りとSNSなどで本当の敵が誰かを意識した市民たちの活躍でこの問題をクリアーすることが出来ました。
それと、この地方選挙では新しい流れも生まれました。
その点は次回ご紹介したいと思います。
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