狡兎死して走狗烹らる その4

この事故 (?) が起きた時様々な反響と反応がありました。

まず、最も敏感に反応したのが6人組たちと障碍者クラスタでした。


障碍者インフルエンサーたちは晩年暴言を吐きまくり人望は地に落ちていました。

彼らを敵視していた6人組の仲間たちの一部には「天罰だ」と喜ぶもの、「正義は勝つ」と誇るものなど喜びを持って迎えた者たちは少なからずいました。


障碍者クラスタの中にも上記のような反応を示した人たちがいたのは事実ですが、多くの人たちは複雑な心境でした。


なんといってもかつての仲間であり、指導者のような存在でした。

長い間付き合ってきた者も多く、袂を分かったとはいってもそう割り切れるものではありませんでした。


障碍者健常者の区別なく、最大多数の人々はこの事故にショックを受けました。

テレビや新聞などで顔なじみの人間が事故で死んだというのは気持ちの悪い話題で後味も悪い話でした。


さて、いい言い方をすれば情報が早く手に入り解析も早い、悪い言い方をすれば無責任な推論を垂れ流すSNSでは様々な見解が寄せられていました。


上記に上げた情報や感想の他にも、「やけにメディアがおとなしめな報道をするなあ」 とか 車の種類から様々なパーツを割り出し、事故の原因を推論する者、突飛なものでは自殺説もありました。


その中で特に多く寄せられたコメントは「外国の陰謀説」でした。

これはひだまりの国の自動車技術が非常に高く、普通に考えたら事故は起こらないという考えから導き出された答えでした。


そうなると、なぜ殺したのか?という疑問が出てきます。

そして、用済みになったのだ、という結論は自然と多くの人々の頭によぎるものでした。


「狡兎死して走狗烹らる」 この言葉をSNSで使うものは少数でした。

でも似た表現、例えば用済み、お払い箱、おかたずけ、ETCといった表現は多数ありました。


「狡兎死して走狗烹らる」について、使う者の多くが厨二病的な感性を持っていました。

若い時、覚えたての難しい言葉とか漢字を使いたがるアレです。


中には厳密には違うだろ、とツッコミを入れ、ちょっとした炎上をする場合もチラホラありましたがまあ、比較的平和な話でした。

この話の続きは次に譲ります。







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