閑話休題 孫子準備体操編6
前回の話で孫子準備体操編を終わりにしようと思ったのですが、急遽付け加えることにしました。
前の話で日本君の良い例と悪い例を紹介しましたが、自信を持ち傲慢になり油断をしてボコられる日本を反面教師にして最近まで頑張った存在がありました。
どうしても、その良い例を紹介したいと思ったのでここで書いておきます。
なお、私がここでこの存在をべた褒めするのは正当な理由があるからです。
そして、それはその存在を崇め奉るのが目的ではなく、今までこの小説で散々強調してきたように相手が誰であれ学ぶ価値のあることは学びましょうというすすめです。
さて、もったいぶりましたがその存在とは中国君です。
日本君がバブルでいきがっていた時に中国君はとても慎重に動いていました。
日本君とは対照的に自分の国は力がないとか、各国に比べ遅れているのでいろいろ教えて欲しいと低姿勢で付き合いをしていました。
世界的に見ると、調子に乗った恩知らずな日本君よりも中国君を応援しようとか、中国君は言われているほど悪くないんじゃないかと世界に宣伝することに成功しました。
当時の中国の指導者は国外に対してはこの低姿勢を示し続けながら、国内では国民の愛国心をじっくり育てつつ国力の増大を宣伝して成長をうまく促していきました。
中国君のしたたかな点は今の時点では日本君にも及ばないが、数年後に日本君を抜き、やがて数十年後には世界一の経済、軍事大国になるというかなり具体的な目標と計画表を持っていたことです。
そして、それはつい最近まで続きました。
日本がバブル期以降30年叩かれ警戒されている間、その30年間ほとんど無警戒、あるいは妨害されることなく成長することが出来たのです。
これも言ってもしょうがないことですが、もしバブル後の30年の間世界が日本ではなく中国を警戒していたら今のような国際的な緊張や混乱はなかった可能性が高いのではとつくづく惜しく思います。
やがて中国君は力をつけ、権力を集中させた体制を確固たるものとしました。
とうとう我慢が出来なくなり本性を現しましたが、日本君と違いかなりのアドバンテージを持つことに成功しました。
残念ですが、世界の歴史を見るに正義とは力です。
中国の治政がいかに圧政的で個人の人権をないがしろにする息苦しい体制であることが事実であっても、力でそれを実現できるのであればそれが社会的正義となります。
2000以上前に書かれた孫子発祥の国中国、今やAIや国民のデータベース化など最先端の技術で国家運営を行っているこの国がつい最近まで孫子の方針に従ったことで強大化したことはどうか頭の片隅に入れておいてください。
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