閑話休題 孫子準備体操編4
バブル期の日本君の傲慢さは上は経営者や大学教授から、マスコミなどを通して庶民に至るまで全体の空気となって蔓延していました。
この時今まで日本君がいじめられたときに恐らく最も味方をしていた存在は日本君に対して怒っていました。
この怒りはクレイジーな嫉妬のような物だったのかもしれません。
でも、そうした感情だったとしても相手に悪意を与え、警戒され、敵視されたのはとてもまずいことでした。
日本君は自分から望んでそうしたためですが、目立ってしまいよく言えば目標、悪く言えば標的になりました。
確かにじゃんけんのグーを出されることはありませんでしたが、じゃんけんに頻繁に誘われるようになりました。
しかも今までは控えめに断っていたので角が立たなかったのですが、このところの悪目立ちのためにみんなが無理やりじゃんけんをさせるようになり、日本君には断るすべがなかったのです。
日本君はあいかわらず、グーを出すことが禁止されていましたし、怪しい動きをしたらグーパンを日本君にくらわしてOKという話もそのまま残っていました。
しかも同じころ日本君と一緒にボコられていた人々はこのルールを解禁してもらっていました。
いってもせんなきことですが、もし日本君が天狗になる前にルールを変えてもらっていたらと思うと残念で仕方がありません。
とにかくまた調子にのったと判断された日本君に他の人達は容赦がありませんでした。
ひたすらチョキを出し続け、日本君をくたくたにしてしまいました。
なにしろグーが出せないので勝てません。
しかも段々疲れてきて時々間違えてパーが出る始末。
日本君は僕は強いんだぞ~、金持ちだぞ~、と自分をひけらかしてしまったばかりにその後30年たっても衰弱を続けています。
孫子曰く、彼を知り己をしれば百戦危うべからず。
自分をひけらかして弱点を見せ、相手をやる気にさせてしかも相手の弱い所を笑うだけで知ることを怠ったことは実に愚かなことでした。
最近まで米国の大統領をしていた人物は日本君のことが大好きでいろいろと便宜を図ってくれましたが、それでもかつての傲慢な日本君の記憶があったために時々それにふれて牽制球を投げていました。
バブル崩壊から30年がたとうという今でさえ、こうして大きな影響を及ぼしているバブル期の傲慢さによる失敗、それは今でも大きな刃となって日本君の喉元にその鈍い光をちらつかせています。
次はそのお話をする予定です。
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