第259話 ねこネコ編(1) えなことクレちゃん

時は現代、南九州の小さな街、宮之城市、祭り之介はうつ病と診断されて落ち込んでいました。

彼を励ますべく、一人の友人が声をかけました。


彼の名は馬骨(うまほね)、貧乏で独身のさえない男でした。

しかし、彼自身は寂しさを感じませんでした。

なぜなら、彼は地元の通称「ねこやしき」で毎週ねこたちとたわむれていたからです。


彼は落ち込む祭り之介をねこやしきに連れていくことにしました。

ねこやしきは敷地内に建物1つ、はなれの小屋がひとつありました。

はなれの小屋の方にはけがをしたり、比較的おとなしいオスねこが住んでいます。


敷地内はプライベートルームとオープンルームがあり、プライベートルームには人になつかないねこが沢山いました。


オープンルームは明るく大きな部屋があり、沢山のめすねこと去勢手術を施したおすねこたちがくつろいでいました。


ここで、ねこやしき(猫カフェ)に行くときに気をつけるといいことをいくつか紹介します。

禁止事項ではないので、これをしなきゃダメということではないですが、ねこちゃんたちと仲良くするのに良い方法なので検討してくださいね。


1 うるさくしたり、大きな音を立てない(ねこさんたちが驚きます)

2 化粧や香水は控えた方がよい(ねこさんはにおいも敏感です)

3 目をじーとみない、視線を時々外す。(ねこちゃんはメンチを切られていると感じるそうです)

4 体を動かすときは穏やかに動いて、走ったり追いかけたりしないこと。

5 もし、寄付制だった場合は気持ちをお渡しすると、ねこの病院代などに使われます。

6 店員や家の人のアドバイスには素直に聞くようにして下さい。

細かい点ですが、ねこちゃんは第一印象で人を判断しやすい動物なので仲良くするためにも努力するのは良いことだと思います。


さて、前日風呂にはいってさっぱりした祭り之介と馬骨はねこやしきに入り、祭り之介はねこデビューを果たします。


ドアを開けると白と薄い紺色の模様で滑らかな毛並みをしたスレンダーねこ「クレちゃん」と雑種系の毛並みをしたえなこ(ちゃん)がお出迎えに出てきました。


まず最初にえなこが馬骨の足元で「すりすり」と足元で懐きます。

その後にクレちゃんが祭り之介の足元で同じように懐いてきました。


これが、祭り之介とねことの初接触でしたが、彼は不思議な気持ちとあたたかい気持ちが混ざり合った、心地よい感触を味わっていました。


さて、次回はこの2匹のねこについて紹介したいと思います。

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