第81話 誰が悪いのか⁇

ついにコウメイとテレスがDM(ダイレクトメール)で対話する時がきました。

コウメイとしてはぎゃふんと言わせたい勢いでのぞんでいました。

彼はテレスに自分が過去に受けた過去について説明しました。


それを知ったのちデンゲル人テレスはこういいました。「騙される方が悪い」

これを見てコウメイは怒ります。


ですがテレスは続けてこう諭します。

「ひだまりの国の人々は人が良すぎる、もし、考え方を改めずデンゲル人だけが悪いと思うなら今後も同じことが繰り返される、早く気づきなさい」


これを聞いて、コウメイははっと気づきました。

彼の言葉通りに取るならば、デンゲル人のことを良く知らないひだまりの民の方が悪いということになります。

でも聞きようによっては彼の言い分も一理あると思いました。


「では、どうすればいい」コウメイはテレスに質問します。

彼は騙しあいをさせたらひだまりの民はデンゲルには勝てない、だから距離を置いてできるだけ関わらず、もし関わっても敵視しないようにとアドバイスしました。


理由はすでに法律や条例によって彼らは優位に立っているからであると、そういわれると理解できる話ではある。


人数的に多数のひだまりの民がことあるごとにデンゲル人にやられているのはまさに法律や条例の分野だからです。

ではどこで攻勢に出ればいいのか尋ねました。


すると、司法に対応するには立法、つまり選挙でひだまりの民のために働く議員を選ぶのが上策であるとテレスは言いました。


それに加えてこのようにアドバイスしました。

「どう頑張ってもデンゲル人に騙される議員は出てきます、なので出来るだけ多くの味方を増やし、飽和攻撃で勝つしか方法はありません、細かいことを気にして裏切り者に時間を割くより新しい味方をどんどん増やす方が有効でしょう」


気が付くとコウメイはテレスの言葉に耳を傾けていました。

コウメイは先ほどとうって変わってこう尋ねます。「ひだまりの民の人の好さが悪いことはよく分かった。それにあなたのアドバイスは的確だ、でもあなたはそれでいいのですか、デンゲル人として?」


テレスは答えます。

「私たちの民はいずれ嘘を隠し通せず内部から分裂するでしょう。いまはひだまりの国を敵視することで保っていますがそれも限界に達しようとしています。

本気でやりあったら私たちに勝ち目はありません。


誤解しないでほしいのですが私はデンゲルの将来のことを考えているのであってひだまりの民に屈するつもりはありません」


コウメイはなぜヒキコモリーヌがテレスと話をするのか、また自分と話をするよう促したのか理解できたような気がしました。

誰が悪いのか、彼にはデンゲル人一択でしたが、自分の父も含めひだまりの民が騙されるのも悪いと結論づけました。


そしてこの考え方の変化が後に彼の運命を変えることになります。


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