第36話 郷土をとりもどせ
フウイは緊張していました。
勝利を確信したとは言えそれは筋書き通りになればのこと、フウイが言葉の選択を誤ればご破算になります。
彼は慎重に周りから情報をとることにしました。
ある女性で防災系の公務員で今は体を崩している女性から話を聞くことにしました。
彼女の周りは日本人以外の人々が多くなり、そのため買い物に行っても日本と習慣の違う商行為や日本人差別を思わせるような接客をされたそうです。
治安も悪く、道にはそうした人々がたむろし、日本人は肩身の狭い思いをする。
フウイは聞いていくうちにまるで「北〇の拳」みたいだなと嘆息しました。
とくとくと話は続きましたが最後に彼女はこういいました、「最後は○○山が近くにあるし身投げしようかな」と、フウイは絶句した後、心を込めてこう言いました。
「時間はかかるかもしれませんが必ず援軍は来ます、それまでどうか気を保ってください。」フウイは決意を固めつつ、自分のメッセージを伝えてもらうようにお願いしてから話を閉じることにしました。
彼女の住む地域は日本の人口ベスト5に十分入る大都市です。
でも、彼女の住む地域、彼女から見たら故郷に当たるのかもしれないその地域はすでに彼女の手から離れている、それがフウイの率直な見立てでした
。
今は大したことは何もできないかもしれない、でも「一所懸命」をキャッチフレーズにしたあのお方の名前が浸透すれば遠きその地の人々の意識が変化し、投票における議員の選択や、抗議運動などで力になれるだろう。
援軍の約束は決して空約束ではない、フウイは誓いました。
ついにその時、20Kを擁するスレの主にダイレクトメールを送ることにしました。
フウイはあいさつをした後すぐに本題に入りました。
「状況を逆転させる方策があります、それは島津義弘大河誘致運動です」
一か八かの賭け、フウイに緊迫の瞬間が迫る。
これがテレビゲームの戦国シミュレーションならボタン一つですむ事案でしょうがこれは現実でありまた将来多くの人に影響を与える事案である、緊張がはしりました。
20Kの主はこう応じた。「面白い考えですね。」短いですが応援確約の返答でした。
フウイは長く苦しく、先が闇かと惑うべき現状から大きく変化することを確信し安堵していました。
ありがとうございます。言葉は少ないが万感の思いを込めてフウイは感謝を表しました。
ここから具体的、事務的確認が行われました。
フウイは立場上政治的には中立でありあまり深入りできないこと。それでも協力でできる分野はできる限り協力すること
。
全面協力できないのは相手に対して失礼かもと思ったがこれは政治活動ではなく「祭り」である、そうしておくことでトラブルや足かせを残さないようにというフウイらしい保険のかけ方でした。
20Kの主はそれを察したかのように、「わたしも中立です」と応じました。
この人は状況を冷静に判断できるタイプの御仁だ、フウイは信頼を感じました。
ここから進撃が始まります。
次回 「進撃開始」です。
※ ここで描写されている人物は架空の設定であることをご了承ください。
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