第14話 堂々巡りだ、さあどうする
久しぶりに、「祭り之介」「フウイ」「コモロウ」の3人がそろいました。
「コモロウ」がつぶやきます。
あれから例の件は進んだ? ほかの二人は口々に進んでいないと答えます。
「コモロウ」はやっぱりねとつぶやきます。
この調子だと一時期の熱に覚めてあきらめているのでは、そう予想していました。
しかし2人ともそうではありません。
祭り之介は日新公のいろは歌からあきらめなければ良いことは必ず実現すると励まされ、一時期の焦りも感じさせず意欲を保っていました。
フウイはといえば、今は種をまく前の勉強の時期でありいずれ準備が出来れば、そしてふさわしい流れが来ればことは動き出すと信じ、静観の構えをとっていました。
とはいえこれで終わりではなく祭り之介はいろは歌の内容と感じた点を、フウイは自分が調べた宮崎や福岡や鹿児島の義弘公関連の活動を熱心に話しました。
始めはつまらなそうにきいていたコモロウも熱に充てられたのか、話を聞き、話の終わるころには何か不思議なやる気みたいのものが芽生えつつありました。
もしよかったら。何か意見があったら聞かせてくれないか。
迷いもなく一直線な表情で祭り之介はコモロウに頼みます。
気が付いたらね。
視線はネット越しで見れないのでつれない返事であったがコモロウの内心は乗り気になりつつありました。
これは一般的なツンデレとは違うが何か不思議な雰囲気に乗せられた感じです。
いわゆるやる気が伝染した状態でした。
祭り之介はツイッターを始めました。
といってもコモロウやフウイとは会話をしていたがそれ以外の方法も使い道も全く知らなかった。
ど素人です。
かれは説明書なしの状態でただできそうなところから片っ端にボタンを押します。
そうすると収集が付かなくなりそれは今日まで続いていました。
とはいえ、いくつかの人と会話をすることはできました。
島津豊久の居城佐土原(さどわら)押しの人、島津義弘がすきで猫好きの属性を持つ人、ともかくいろんな人とであい、会話し、可能であれば島津義弘大河誘致運動について話します。
地味ではあったがたしかにネットを使って目標を達成する第一歩となりました。
フウイはこんな期待をしていました。
島津義弘や豊久が大河の主人公になれば宮崎県全体がピックアップされる。
鹿児島の大河は西郷どんをやったではないかという反対に対しても今回は宮崎をメインにすれば問題はないだろうと。
そしてそのことに気づいた政治家や起業家、あるいは著名な芸能人やインフルエンサーにこの運動に参加あるいは助力してもらえば一気に形勢は逆転する。
それまでは地味であっても祭り之介のように地道に声を上げ続けるのが良いと考えていた。
それはまるで遭難した人の小さい声のようにはかなく今にも消えそうなものでした。でもその声が火を噴き返す機会はきっとある、また火が付くようにさらなる工夫が必要ではないか。
フウイもまたツイッターやメールで知り合いに啓蒙しつつその時をうかがっていました。
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