第32話 北海道ダンジョンと中年


 北海道の路地裏にノセが扉を設置。


 ドアを勢いよく開けて、

「ヨォォォコソォ〜ほっかいどぉぉお」


 ノセがうるさい、ちょっと出れば人が多い、ガチャガチャうるさい、やだ。


「兄さん、顔に出てますって。しょーがないっスよ、いまダンジョンここしかないっすから」


「並んでまで入るかね?」

 いつから日本人は戦闘民族になったんだ?


「じゃがバター肉串買ってきたよー!」


 屋台も出てるらしく美羽は浮かれてるな。


 ようやく順番がまわってきて、


「Bカード確認しました。帰って来てからでもいいのでカードの更新をお願いします。でもその格好で入るんですか?」

 受付の女の人が困った顔で聞いてくる。


「中で着替えるんで大丈夫です、6人パーティーですし」


「そーですか、ならまだ一層しか分かってないのでくれぐれもお気をつけて」

 と係員に注意されながら初北海道ダンジョン突入。


 マップで確認し誰もいない所に移動、

 気づかれないように転装し、マップを見ながら一層をまわる。

 ちょこちょこ罠が有るが、小さい落とし穴、油が飛んでくるなどショボい。

 敵もスライム、大ネズミ、たまにゴブリン、敵の種類が多くなってるな。


 だが、されど一層。ドロップも微妙だ。


 さっさと二層の階段を見つけ、降ると今度はリザード、ゴブリンファイター、大百足。

 雑魚ばっか。でも前のダンジョンよりレベルが高いのか、他の冒険者は苦戦している。



 三層、ハイゴブリン、一角兎、ゴブリン軍団(ファイター、ガードナー、マジシャン)


 ハイゴブリンが、軍団を引き連れてくるので面倒くさいが、ハイゴブリンを倒すとゴブリンどもは逃げ回る。

 一角兎は食用肉と角を落とすので乱獲する。


 四層、ビッグアント、サクラカマキリ、弾丸カナブン、虫、虫、虫ぃー!

 3匹の馬鹿に任せた!

「「「あちょー!!」」」

 ノリノリの賢人、ボブ、ノセが暴走している。



 五層、やっと扉がありボス戦だな。


 扉を開けると、牛の頭に人の身体、デッカい斧持ったミノタウルス ー ランクE

 瞬殺でした。でも角と肉を落とし、鑑定で食用だったので食べるのが楽しみ。

 宝箱もあったがショボい(マジックポーチ(容量3個)銀貨10枚。


 六層、ブラックアリゲーター、レッドスネイク。ワニ皮とヘビ皮、とりあえず取りながら進む。罠もここら辺から、矢が飛んできたりするので注意。


 七層、シャドー、ゴースト、ゾンビ。

 美羽の出番だがゾンビは俺らしい……俺も気持ち悪いんだけどね。


 八層、


「「「「「「アァアアアァァァァァアァァ!!!」」」」」」


 大量のゾンビ! もーパニック! 俺、モッチーで前の敵を魔法で灰にし、逃げ回りながら倒していく。

 ドロップなんか、拾ってる時間も余裕もない。あとはなんとか、九層の階段を見つけるまで魔法連発で凌いだ……


 SAN値がガンガン減ったよ。


 九層、墓場。

 スケルトン(ソルジャー、ナイト、マジシャン、)カルシウムが足りてないのか、叩けば崩れる。

 もう十層のボスがゲームと同じなら、正体は分かった。そして、みんな怒りで暴走気味。


 そして十層、

 案の定ゲームの定番、リッチ。


『フハハハハ、タノシンデモラエタカネ、オマエタチモ「「「「クソがぁ!!」」」」ボヘァ』


 俺たちの怒りの鉄拳が炸裂し、粉々になりました。


「ゾンビ層なんて、なんて趣味の悪い! リッチならもうちょい考えてつくれや!」


「あぁ夢に出てくるわ! 今日出てくるわ! 賢人、今日泊まっていい?」


「ダメにきまってるだろ! ノセんとこいけよ」


「いやだ! 僕も賢人のとこに泊まるからな!」


「うっせー! このヘタレどもが!」


 なんて話をしながらドロップ確認。


 ドロップは魔晶石と魔導書(初級闇)、魔導書があれば魔法が覚えられるらしい(適正があれば)


「てか闇かぁ、覚えとくかな……一応あった気がしたし」


 モッチーも闇適正があったらしく、早速取っていた(魔導書は使わず)


 宝箱は風のナイフと銀貨15枚。


 ショボいな。


 転送陣は出ていたが、時間も早い為、次の層に。


 十一層、


 草原でした、空もあります。

 今までダンジョンぽく、洞窟ってか石造りって感じだったのに、開放感がすげえ。

 ピクニック気分で歩いてると、遠くに見える物体……


 敵かと思い構えたが、牛、鹿、鳥(デッカい鶏)


 解析すると、


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

魔乳牛 ランクE

レベル 30

家畜として最適、肉、ミルクともに食用可

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

草原鹿 ランクE

レベル 35

角で敵を威嚇する、角・皮は加工に向いており、肉も野性味溢れ食用可、

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

巨鶏 ランクD

レベル 39

とても攻撃的、少しだけ飛ぶ事も可能、肉・卵は食用可

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


 とりあえず近寄ってみるが攻撃してくるのは鶏だけ。

 あとはある程度距離を取りながら、こっちを伺っている。


 飼育員らしきゴブリンが餌を持ってきたが俺らを見て怒っている。

 近くに小屋があり、そこからゴブリンがぞろぞろ出てきたので瞬殺。小屋の中を見ると肉の解体所や読めないが明細らしきものなどがある。


 ここは家畜層なのか?

 家畜ならいいよな?


 さて狩りの時間だ。

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