第28話 もう半年の中年


 洋館の中は、これまた豪華で落ち着かない。


「これ落ち着くか?」

 二階に続く階段の手摺りに手を置いて、部屋の中を眺めながら聞くと、


「んー? ちょっと凝りすぎかも、庶民にはきついね」


 だよなぁ、シャンデリアとかいらないべ。


「これ建て直しとか出来るのか?」


「魔力が必要ですが出来ますよ」


「んじゃここは取り壊しだな、つか洋館とか住みにくくてしょーがない」


 俺らは外に出てコアに取り壊して貰う。


 そして、帰ってきた3人は乳首に洗濯バサミを付け正座。



 異次元なので広さは無限、まぁ景色がいいのはいいが移動手段の為、道を作る。


 あとは各々の家、という事で小さな町を作ることにした。


「こんなもんだろ?」


 俺と嫁の家はオシャレでモダンな外観、なかは住みやすさ重視の嫁設計。

 コアもここに住む為、コアの部屋、俺と嫁の趣味部屋など今住んでるとこより数倍広い。


 後は賢人、ノセ、ボブ、モッチーは、各々の家とみんなで集まる集会所(遊び場)


 コアは管理があり、外に出れない。1人だと寂しそうだ。

 聞いたところ核になるものがあれば、サブが作れるらしい。今持っている中で聞くと、レッドワイバーンのドロップの、紅炎玉が使えるとの事で、生まれたのが、紅の髪のポニーテールの美人さん。

 身長160ほどで出るとこはでている。だが最初のコアといっしょでカタコトだ。


 コアも名前を【アンコ】(俺が和菓子好きだから命名)にしたので和菓子繋がりで栗饅頭からとろうとしたが却下された。

 しょうがないから【マロン】にしたらなんとか許してもらえた。


 マロンは基本俺ん家にいるが、町の見回りやアンコの手伝いをするそうだ。


「これでだいたいいいか?」


 建物は少ないが、綺麗な住宅地のようだな。


「はい! 図書室を作りたいです!」


「はい! 鍛冶屋もいいですか?」


「奇抜なデザインじゃ無ければいいんじゃね? でもすぐじゃなくていいべ、土日しか来れないのに」

 とここでアンコが、


「子扉はどうしますか?」


 ……ん?


「いま使用している扉は親扉といって、動かすことは出来ますが、必ず設置しなければいけません。

 子扉は2枚1対で持ち運びが出来ますが?」


 …………ふぅ。



「一個作って見て」


「MPを頂いて宜しいですか?」


 出来たドアはアニメで有名なピンクのドア。

 とりあえず片方をハウスのリビングに設置して、もう片方を自宅のリビングに……開けると、


「ウェェェルカァァァァム!!」


 とりあえずノセは無視してアンコに聞く?


「これどれくらい作れるんだ?」


「作ったらマスターが権限を持ちます、マスター次第で数は魔力があればいくらでも」


 はぁ……


「俺は魔力はださん! 欲しい奴はアンコに頼め! 変なことした奴は強制的に撤去する。以上!」


 ダメな奴らだ、MP500も使う。


 ボブは泣いて頼むから作ってやったが……


 本当に大丈夫だろうか……


 4人は扉を自分のハウスに設置し、もう片方をアイテムボックスに収納(モッチーもこれだけの為にアイテムボックスをとった)帰って行った。


 アンコはマロンに教育するそうなのでなにかあれば念話(アンコと俺【スキル所持者】だけらしい)する事になっている。


 色々あったが有意義な日曜だった。


 そういえば称号だったな。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

初ダンジョン制覇者

(初回のみ)ダンジョンを制覇した者の称号

ドロップ率がアップ(LUK+20)

同パーティー間での念話スキル獲得

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


 ここでも念話? でも結構いいじゃん。


(美羽聞こえる?)


「えっ?なに数人カズト?」


 称号の説明をし、念話でノセや賢人で遊ぶ。


 突然俺の声が聞こえて恐怖したらしい。



 テレビで自衛隊がダンジョンを突破したという情報が流れてきた。

 ほぼ同時にロシアの方でも突破したそうだ。


 扉が消えたことを祝っているようだが、死亡者も結構いたらしい。


「これで3個目か、いつ半年になるかな?」


「数人がゴブリンにあったのが3月22日で明日が9月15日でしょ、いつから扉があったか分からないけどそろそろじゃない?」


「よく覚えてるな……だよな、もうなにが起きても不思議じゃないんだよな」


「なんかあれば念話も手に入れたし、ハウスもあるから……てか必要なのだけハウスに移そうか?」


「だな、今のうちにあっちに移しておこう」


 俺らは賢人達にも連絡して異次元ハウスにいる荷物だけを移す。



 

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