14:7 守らせて
「…クラーケンが、消えていく」
隣接するのはレインやリベロたちを乗せた黒と白の戦艦。彼女たちの目に映るのは、海面に浮かんでいたクラーケンの巨体が光の塵と化していく光景。臨戦態勢を解かずに細心の注意を払っていた七つの大罪と七元徳も、それを目にしたことで、やっと肩の力を抜いた。
「おいおい、ノアとルナはどこにいるんだよー? まさかクラーケンと一緒に消えちまうわけじゃ――」
「勝手にそういうフラグを立てないでよね~」
リベロがそう言いかけたと同時に、クラーケンの皮膚を突き破りながら飛び出したノアとルナが、華麗に戦艦の上に着地をする。その傍らには、ゼルチュの姿もある。
「…クラーケンはどうなったの?」
「見ての通り、心臓を破裂させた。もう動くことはないだろう」
「それって、"勝った"ってことだよなー?」
「あぁ、俺たちはこの世界を守れたんだ。全員、よくやった」
通信機の電源を入れつつも、リベロたちへそう伝えれば、海上に兵士たちの勝利の雄叫びが響き渡った。犠牲者は少なくないが、自分たちの世界を守り切ったという達成感と喜び。この世界で生きている人間にとってこの勝利は"上等品"だ。
「これでおれたちの役目も終わりってことだな」
「ええ、そうみたいね」
朝日が昇り始めれば、木村玄輝たちや神凪楓たちの姿が徐々に薄れ始めた。オリジナルの七つの大罪と七元徳が蘇ったとはいえ、この世界に姿を留めていられる時間には限りがあるのだ。
「玄輝たちのおかげで助かった。ありがとう」
「…いいんだ。おれたちも、やっとこの世界の為に戦えて満足したよ」
ノアは玄輝と握手を交わし、七つの大罪たちを一望する。かつて敵として戦っていた相手と、このように共闘ができたこと。それがとても感慨深かった。
「楓たちもありがとね。私たちが勝てたのは、みんなが力を貸してくれたからだよ」
「紗友里、それは違うわよ。世界をこうやって守れたのは、あなたたちが諦めずに戦い続けてくれたから」
ルナは楓と握手を交わして、七元徳を一人一人眺める。分かり合えないと決めつけて、殺し合っていた日々。そんな記憶を思い出して、彼女は少しだけ懐かしむ。ノアとルナは思い出話に花を咲かせたかったところだが、七つの大罪も七元徳もそこまで時間が無いようで、姿は半透明までに薄れていた。
「そんなに寂しそうな顔をするなよ。お前らしくないぞ?」
「あぁ、悪いな」
「あなたもよ紗友里。私は湿っぽい空気が苦手なの。きちんとしなさい」
「…うん」
玄輝と楓に肩を叩かれた二人は僅かに目を瞑る。そしてノアは余裕に満ちた笑みを、ルナは満面の笑みを浮かべた。
「じゃあな、霰」
「また会いましょう、紗友里」
彼らは、彼女らは二人に笑顔で応え、その姿を完全に消滅させてしまう。
「きっと、どこかでまた会えるよね」
「…会えるさ。俺たちがそう信じていればな」
登り切った朝日に視線を移して、少しだけ余韻に浸る。今まで多くの別れを経験してきた二人だったが、これは格別に来るものがあった。
「…ノア」
「…姉さん」
雨氷雫と月影村正が、それぞれノアとルナに声を掛ける。
「白金昴の処分はどうするの?」
「処分、か…」
「こいつは世界を崩壊させようとしただけじゃない。関係の無い子供たちを巻き込んで、殺し合いをさせた。場合によっては"死刑"だってあり得るぞ」
甲板の上にすっかり座り込んでしまった白金昴。雫と村正は彼の処分を、ノアとルナに尋ねた。
「二人とも、お願いだ。私を死なせてくれ」
「「……」」
「あの世で、美郷と雨音はずっと私のことを待っているはずだ。どうせこの世界に私の居場所なんてもうない。だから死んだって――」
死なせてくれと懇願する白金昴の胸倉を、ノアは強引に掴み上げる。
「確かにお前は大きな過ちを犯した。けどそれは俺たちだって一緒だ。憎しみだけに囚われ、戦争を続けてしまった。だからお前を裁く権利なんて、俺たちにはないんだよ」
「…ノア!」
「雫、お前も同様にだ。白金昴をあんなに拒んでいたのも、"夢"のある研究題材を嫌っていたのも――世界が二つに分かれた原因が自分にあるからだろう」
ノアは声を上げた雨氷雫にそう指摘をすると、彼女は口を閉ざして黙りこくってしまう。
「…白金昴。俺たちができる唯一の償いは、この世界に平和をもたらすことだ」
「君は、私にまだそんな良心が残っていると?」
「だったら聞かせてくれよ。どうしてお前のクローン技術で、"白金美郷"のクローンを創り出さなかったんだ?」
白金昴は痛い箇所を突かれたことで、思わずノアから視線を逸らした。
「…私の技術が追い付いていなかっただけだ」
「いいや違うな。"Noel Project"の完遂を楽しみにしていた白金美郷に、目的が大きく変化した研究内容を見せられなかったからだ」
その推察が図星だったのか、白金昴はゆっくりと瞼を閉じる。
「お前も薄々気が付いていたんだろう? 今の"Noel Project"が間違っていると」
「……」
「もし今の研究に堂々と胸を張れるなら、白金美郷のクローンを側に仕えさせていてもおかしくない。けどお前はクローンを創らなかった。それが意味するのは、どこか後ろめたさがあるということだ」
一度踏み出してしまった道を、引き返すことはできない。白金昴が目指していた"Noel Project"の完遂は、白金美郷の"夢が叶うこと"と同然。だからこそ彼の中では、常日頃から"正しさ"と"過ち"の葛藤が生じていた。
「そうかも、しれないね…。私はあの頃のように、自らの手で"Noel Project"を手掛けることが少なくなっていた。クローンたちにすべて進行を任せ、私は指示をするだけ。そんな体制になってしまったのは――私が美郷に顔向けできなかったからだ」
白金美郷をクローンとして生き返らせ、この研究を見せた時に何と言われるのか。もし失望した目で見られたら…と考えれば考えるほど、白金昴の葛藤は強くなるばかり。
「白金、"Noel Project"を一度白紙に戻すんだ」
「…白紙に?」
「そうだ。白紙に戻して、今度こそ本当の"Noel Project"を完遂させろ。白金美郷に堂々と報告ができるような成果を出すんだ。それをお前の"処分"にする」
掴んでいた胸倉から手を離し、今度は右手を差し伸べる。
「雫と村正もそれでいいな?」
「…俺は構わない」
「ノアが、それでいいなら…」
白金昴はしばし考え、差し伸べられた右手を掴んでその場に立ち上がった。
「…処分を受けるよ。この命に代えてもね」
「当たり前だ。命ぐらい懸けろ」
「白銀くん? ここにいる皆に何か言うことがあるんじゃないの~?」
ルナは後方に立っているデコードたちへ、チラッと一瞬だけ視線を向ける。彼は「…そうだね」と軽く頷いて、その場で振り返り、
「今まですまなかった。君たちには酷い仕打ちばかりをしてしまい、どう詫びればいいのか分からない。私にできることがあれば、何でもしよう。これで許されるは思わないがね…」
デコードたちへ今までのことを謝罪した。赤の果実の大半は家族を白金昴に殺され、憎しみを抱いている。その為、視線の鋭さは一向に和らぐことがない。
「…本当は、絶対に許せないよ。ノアがあなたを生かしておくのにも、納得がいかない」
「そうだろうね…」
「でもね。今まで私たちを苦しめた分、他の誰かを幸せにしてくれるのなら――許してあげてもいいよ」
しかし彼女たちはエデンの園で、苦しみながらも学んだことがある。それは憎しみを抱くことがどれだけ"愚か"なのかということ。だからブライトたちは、白金昴にその条件を提示した。
「…もちろん約束するよ。それが君たちに対する償いになるというなら」
彼はその条件を二つ返事で呑んだ。自分の過ちに気が付き、反省する様子を見せた白金昴。その光景を見ていたデコードは微笑して、
「ゼルチュ…じゃなくて、白金昴だったな。お前が"Noel Project"を白紙に戻すのであれば、私もその研究に協力する」
「デコード、本当にいいのかい?」
「何を言っている。お前とは腐れ縁だろう。それに…私は"興味深い研究内容"には目がないんだ」
彼に協力をすると声を上げた。白金昴は「ありがとう、ありがとう…」と感謝をし続ける。
「おーい、これ見てみろよ!」
「絢、今までどこに行ってたんだ?」
「レーヴ・ダウンとナイトメアの本部に連絡を入れてた…って、そんなことどうでもいいんだ! とにかくこれを見てくれ!」
朧絢が甲板の上を走り、ノアたちの元へ駆け寄れば、ディスプレイの付いた端末機を見せてきた。そこに映し出されていたのは、どこかのテレビ局の報道番組。
「これって、私たちだよね?」
「ああ、間違いない」
その番組では、ノアたちがクラーケンと戦っている光景が流されていた。海上を前進する白と黒色の戦艦。レーヴ・ダウンとナイトメアが手を貸し合う一部始終が、隠蔽されることなく放映されていたのだ。
「この番組さ! 現ノ世界とユメノ世界両方で流れてるんだよ! もうネット上では大騒ぎだぜ!」
「これが現ノ世界とユメノ世界を繋ぐ、第一歩となればいいんだけど…」
真っ青な空の上に浮かぶ朝日、久しぶりの晴天。ノアとルナは眩しさに目を細めつつも、その場にいる者たち全員に視線を送り、
「そろそろだな」
「そうだね。ほら、皆で早く自分たちの世界に帰ろ――」
そう言いかけた瞬間、
「「――!!」」
クラーケンの遺体があった海面に、禍々しい灰色の塊が浮上した。二人はすぐさま振り返り、それが一体何なのかを観察していれば、
「――ッ!」
そこから飛び出してきたのは"異形"。ノアは二丁拳銃でそれを撃ち抜く。
「これって、エデンの園で見た…」
「白金、アレは何だ!?」
「この塊は、クラーケンが取り込んだ者たちの"創造力"…?」
次々と飛び出してくる異形たち。ノアが二丁拳銃で、ルナが黒色の大鎌で一匹ずつ始末をしていく。
「しかもあり得ない創造力の量だ…。クラーケンの数倍以上はある…」
「あれはどうすれば止められるの…!? 直接破壊すればいい!?」
「ダメだ! その塊を無理に破壊すれば、中身の創造力が一気に放出される! そうなれば、この世界にどんな影響を及ぼすか分からない!」
灰色の禍々しい塊。それはクラーケンが取り込んだ者たちの創造力を、一つに凝縮させたもの。その創造力の量は、地球を一つ軽々と覆いつくすほど。それをもし破壊してしまえば、爆弾のように大爆発を起こし、この世界全体に大厄災を招く恐れがあった。
「ならどうすればいいんだ? このまま撤退したら異形たちが固まって、地上に押し寄せてくるぞ!」
「あの異形は、創造力を消費して呼び出している。少しずつ倒し続ければ、いつかは灰色の塊も力を失い、消えてなくなるはずだ」
ノアとルナはそれを聞くと、灰色の塊を挟み込むようにして、戦艦から飛び降りる。
「「
そして海面に灰色の床と、灰色の壁でその周囲を覆った。
「君たち、一体何をして…!」
「あれを完全に消滅させるためには…」
「私たちがここで戦い続ければいいんだよね?」
その囲われた中に、ノアとルナも一緒になって入り込む。全員がその行動に目を丸くして、すぐに甲板から身を乗り出した。
「無茶だ! 例え戦い続けても、今から数ヶ月じゃ片付けられない! 一年、二年…下手をすれば三年以上もかかるんだぞ!?」
「そんなの承知の上だ」
「そうだよ~。私もそこまで馬鹿じゃないからね~」
ノアとルナは襲い掛かる異形たちを薙ぎ倒しながらも、白金昴にそう返答をした。
「流石の君たちでも不眠不休でやり遂げられるようなことじゃない! 考え直してく――」
「白金。俺たちがこの戦いを終わらせた時に、それなりの成果を出せていなかったら、ただじゃ済まないぞ」
「私も怒るからね~」
「…っ! そんなこと言っている場合じゃ――」
二人は白金昴の言葉を遮り、次に違う人物の名を呼んだ。
「雫、白金と仲良くするんだぞ。それと、少しぐらい夢のあることに挑戦してみろよ。あー…後、まともな夫としてお前と付き合えなくて悪かった」
「村正、お姉ちゃんはもう少しだけ戦うから~。私の"弟"として、ちゃんと頼もしい男性になってよ~! 欲を言えば、婚約相手とかお姉ちゃんは見たいかな~」
「絢、ずっと俺たちのことを見守ってくれてありがとう。お前にも新しく守りたい人が出来たんだろ? 絶対に、ソイツを守ってみせろよ」
雨氷雫は喉に言葉を詰まらせ、月影村正は静かに目を伏せて頷いた。朧絢は涙目になりながらも掠れた声で「あぁ…!」と返事をする。
「ブライト、俺にテニスを教えてくれてありがとな。結局、お前に試合で一度も勝てなかったよ。ステラ、これからもノエルと仲良くしてやってくれ。あぁ、あんまり我儘は言うなよ。お姉さんとしてしっかり面倒を見るんだぞ」
ブライトは泣くのを我慢しながらノアの背中を見つめ、ステラは頬を膨らませて涙を抑えようと必死になっていた。
「ファルサちゃん、初めてのコスプレとても楽しかったよ。これからはもう一人のファルスちゃんとも、ずっと仲良くしてね。ヴィルタスくん、もう誰かに乱暴しちゃダメだよ。色んな人に思いやりを持って接してね。アウラちゃん、これからもあなたの信じる人を見続けてね。きっとその人は、アウラちゃんの神様だから」
ファルサはオッドアイの瞳から二粒の涙を流し、ヴィルタスは両拳を強く握りしめる。その隣でアウラは胸の前で、唇を震わせながらも手を祈るように組んでいた。
「リベロくん、ゲームのやりすぎはダメだよ~? ヘイズちゃんに怒られちゃうからね~」
「…」
「後ね、私は知ってるから。リベロくんが相手の情報を沢山ノートに書いて、分析していたこと。普段はゲームばっかりやっているように見えるけど、陰では沢山努力をしていたんだよね?」
リベロはポーカーフェイスを保ちきれず、頬が何度も引き攣り下がったりを繰り返す。
「…レイン、お前は見違えるほど強くなった」
「……」
「そんなお前に俺からの最後のアドバイスだ。もしお前がそれ以上強くなりたいと望むのなら、"守りたいもの"を沢山作るんだ。そうすれば、自然と成長できる」
ノアに助言を与えられたレイン。今まで彼女を模っていたその無表情は、徐々にほぐれて、悲しみに塗れていった。
「デコード、ここから離れるように指示を出してくれ」
「…本当にいいのか?」
「ああ、もう伝えたいことは伝えきった」
デコードが通信機で操縦席へと帰還指示を出せば、レインたちを乗せた戦艦は大きく進行方向を変えていく。
「嫌だっ…ノアぁぁ!!」
「勝手に、勝手に死亡フラグ立ててんじゃねぇぞルナぁ!!」
レインとリベロは戦艦の上からノアたちへそう叫ぶ。他の者たちも彼と彼女の名前を叫んでいた。
「赤の果実でいられて、本当に良かった。毎日が楽しかった」
「うん、私もほんとに楽しかったよ。殺し合いがちょっと余分だったけどね」
泣き叫ぶ仲間たちの方に決して振り返らず、ノアとルナは過去の記憶を辿りつつ、赤の果実での思い出を懐かしむ。
「だから、お前たちの世界を――」
「あなたたちの世界を――」
――守らせてほしい。そう願うように呟けば、灰色の壁が完全に二人の姿を覆い隠してしまった。
「ノアぁ"ぁ"あ"あ"あ"ーーっ!!!」
「ルナぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"ーー!!!」
灰色の立方体から戦艦は離れていく。レインたちは子供のように泣きじゃくり、ひたすら叫んでいた。
「…ノア、残るのは私一人だけでも良かったんだよ?」
「それはこっちのセリフだ。お前こそ、こんな地獄みたいなところに残る必要はなかったんだぞ」
灰色の塊から異形の大群が押し寄せる最中、二人は遠回しに"どうして残ったのか"を詮索する。
「私は何となくだけど」
「じゃあ俺も何となくだ」
「あはは、何それ~?」
から笑いをしたルナ。ノアは彼女にこう尋ねた。
「…怖いか?」
「うん、ちょっとだけね…。今から永遠に戦わないといけないなんて、初めての経験だから」
ルナは僅かに怯えていた。終わりの見えない戦いが始まることに、死ぬかもしれない戦いが始まることに。そんな彼女と向き合ったノアは、
「…!」
自身の額を、彼女の額にくっつける。ルナは突然のことで、呆然としてしまう。
「お前は一人じゃない。俺もここにいる」
「……うん」
しばらく額と額を合わせて、孤独じゃないことを頭に実感させると、二人は距離を取って創造武器を構える。
「ヘラ!」
「ゼウス!」
そして自身の背後にユメノ使者を召喚し、隊列を組んで詰め寄ってくる異形たちを見据えた。
「前世で俺がお前に約束したこと覚えているか?」
「それってもしかして…恋人になってくれる約束のこと?」
「あぁそれだ」
二人は会話をしつつも、それぞれのユメノ使者を異形の群れに突撃させて消し炭にしてしまう。
「もしここから生き延びることができたなら――雫と別れて、お前と結婚してやる」
「――!」
「豪華な結婚式場に、優雅な海外旅行付きだ。お前の自室にはゲーム用の高速回線を繋げてやる」
ノアに真剣な表情でそう言われた彼女は、若干頬を赤くさせながらやる気に満ちた顔へと変わった。
「約束、だよ?」
「あぁ約束だ」
指切りげんまんの代わりに、彼は右手で、彼女は左手でハイタッチを交わせば、
「「――終極化」」
灰色の床を強く蹴って駆け出した。
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