第3打

「なぜ俺が。」


刑務所内を歩く。


角を曲がると僅かにコンセントが存在していた金属製プレートのネジに触れたとき現象は起こった。


「ーーーーーーーーーー」


声にならない声を出し受刑者は悶絶し心の内を恐怖だけが支配した。


(怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い。)


何故かその言葉しか思い浮かばなかった。


和釘


それは長い月日を経ても劣化することのない強度を持ち作成するには復元不可の職人芸を行う必要がある幻の代物。


彼は会得していた。その職人芸を。昔、訪れた廃村の神社に祀られていた神から聞いたのだ。


『釘は錆びず、支える物。故に祝福にも呪いにも持ち寄れる。真の釘、それを模索した時、ささやかな幸せを錆びず支え祝福するか復讐を錆びさせず支え呪い続けるものが生まれるだろう。』


彼は必須に模索し作り上げた。復讐の為の呪いの釘を。それをネジへと型を返させ量産した。


そして彼はここの建築に携わってこのネジを締めたのだ。呪いを込めて。


呪いを行う行為をする際住所と名前を書く。それはプレートに刻まれていた。ほんの数ミクロの単位で。


錆びることなくあり続けた復讐心は伝播し彼が施行した全ての箇所のネジと釘が永遠といじめの主犯者に絶望感を与え続けた。


そう彼は釘とネジの自作とミクロ単位で傷によって呪いを引き起こした。


神から認められた完璧な呪いであった。


そもそも神道の神々は良い神ばかりではなくどちらか言えばほぼ全てに二面性を持つ。


そして二度と祟りを起こさぬように祀る。だが彼の願いに神は答えたのだ。


そしてその引き金を作り上げた。人物もまた曲者であった。受刑者との面識は一切ない。だがいじめの認識力においては人一倍優れていた彼はすぐにいじめの主犯格だと断定した。そして偶々彼と出会ったのだ。そこから協力するのは早かった。


そう人物もいじめを過去に経験し復讐を遂げた男だった。今やいじめの復讐屋と呼ばれいじめられっ子の救いの手と化していた。人物は類い稀なる執念で復讐を遂げた。故に喪失感も酷かった。それを満たすために彼は復讐を手伝う。建築関係の資格から次々とその人物が関わるであろう現場に赴き、数万分の一の確率で死ぬ可能性を限りなく百にする。


やり口は内装、その他諸々の段階で微細な傷をつけ対象の癖に合わせて転ばせ脳が偶々壊れるように仕向ける。神業を超えている領域で彼は行うのだ。超音波を倒れた衝撃で的確な角度と力で入るように。それを応用すれば刑務所に入れさせるくらい訳は無い。車、バイクのエンジンをブレさせればいいだけなのだから。


今回は彼を入社させ彼自身の手で作られた釘を使った、ただそれだけだ。


残り30名、同窓会名簿から消える日はそう遠くない。

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叩け、復讐を担う八百を作り上げる為に スライム道 @pemupemus

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