第124話12月30日結婚って免許証と一緒 人間の免許証なんだよ

弟達が来ているので自宅待機

気分が楽になるかと思ってはいたけれども 殊の外しんどい

母は安定して喜んでいる

その穴埋めをするような形で俺が呼ばれたりしている

まあそういうこともあっていいのかなと思う


人と会うのがとても重い

精神的にとても負担

こう言うとただの悪口になってしまうかもしれないけど

俺はずっとなんだよ これが続いているんだ

母が倒れてからもそうだしこれからもずっとなんだよ

腹から笑えることもないし何かを楽しいと思うこともないし

何かをしたいと思うこともない

何か思ってもそれを吐き出せる相手がいない

いなくなってしまったんだよね

これまでは母と二人お互い嫌なこと思ったこと全て吐き出してきた

でもさ例えば お見舞客がきてちょっと空気読まないこと言って俺が嫌な気分になったとしても それはもう言えないよね

母は喜んでいるもの

他もそう

イライラすることがあっても母のために動いてくれる人達の事は口にも上らせることができない

家の事も何でも

全部一人で抱えなきゃいけない

吐き出せばいいじゃんって言ってくれる人がいたとして

吐き出したとして

わかるよって言われたら当事者でもないあんたに何でわかるのって言いたくなる

俺だってこういうことがあったんだよって言われたらそれはそれじゃんって言いたくなるしね

かといって 聞き流されても腹が立つじゃん

結局言っても言わなくても 何を言われてもストレスなんだ

これまでは色んなことの当事者が俺と母二人だったからさ

お互い色んな愚痴を言い合っても 納得がいくんだよ

俺と母の暮らしっていうくくりだったからね

今はそれが俺の暮らしになった

だから それに対して外野が何を言っても何をしなくても

やっぱり ストレスになってしまうんだよ

俺の暮らしを共有しない人たちに何か言われるっていうのはね

じゃあ俺の暮らし、人生と変わってくれるのかと 変われないでしょと じゃあ黙ってろよと 思ってしまうよ、何を言ったところでね

ならまったく俺の暮らしとは関係ない人とくだらない話をしてるのが一番気楽


どうもこう皆さん 俺がどうにもダメな人間に見えるらしくて色々言ってくる

ああすればいいこうすればいいって

もちろん真摯に受け止めて行動がするしありがたいとも思う人もいるし、助言もある

でもさ、言われた時点で大体 もう動いてたりするんだよ

動かないまでも十分考えていて、それに向かって準備をしていたりもする

それを全部宣言しなきゃいけないのかなと思うよね

僕はこれをやってますって

そうじゃないと何もしてないことになるのかな

まあ昔からそうなんだよね

何をしてても一番動いてても、最終的に何もしてないみたいなこと言われたり

俺がちょっと強めに物を言うと周りがブチ切れるんだ

何怒ってんだよとか

先にイライラ切れてたり何もしないのはそっちなんだけどね

それをずっと一人で回して、あまりにも何もしないから一言物を言うと

俺が一人でずっと怒ってるみたいな評価される

褒めて欲しいとか評価して欲しいじゃないんだよ

そんなものはいらないんだ

でも何もしないって言われるのはね 違うじゃない

その上で何もしないと突き上げられ 何もできないんだから言うこと聞きなさい的なスタンスだとか

逐一あれしろこれしろってすごく後追いで言ってくるとかさ

もうそんなことやってるよと

そう、それでももうやってるよとか言うとちょっと機嫌が悪くなる

まるで俺が口答えしてるかのような、言い訳をしてるかのような顔して

単純にバカにされてるんだよね

なめられてると言うかさ

俺がスッとその現場から引くと回らなくなるじゃん

これまで結構そうだったよね

今回も一部 そんな流れになってるよね

ただ劇団とかバンドとかね本を作るとかそういうような作業じゃないからさ

俺がもしふわっといなくなったら それはそれで大騒ぎして弟達が何とかすると思うんだ

で、何事もなかったようにちゃんと回る

だって母の面倒、誰かがみなきゃいけないからね

結果

母親的にもそれが一番幸せなんだろうなと思う

俺以外はちゃんとしている人たちだから

家庭をもって安定した仕事を持って綺麗な家も持ってて

本来母はそちらの家で面倒を見てもらうのが一番なんだよ

俺んとこにいるとずっと

お金がないに縛られて 古くて汚い家に縛られて 何一つ思う存分やり切ることができないまま


間もなく、早ければ一年二年、遅くても五年を待たないうちに

寝たきりになって認知症になって何も分からなくなる

俺のことが分からなくなったらさ

ヘルパーさんだろうが俺だろうが関係なくなるじゃん

俺は面倒みるのイヤじゃないけど、誰が面倒みても同じなら

経済的にも精神的にも体力的にも余裕を持って面倒を見てもらえるところにいるのが一番いいじゃん


と、精神が病むっていうのはこういうことなのかもしれないね

こうやって少しずつ

もう絶対に 変えることのできない逆転することもできない 全部を壊すこともできない

むかつくことをむかつくと言えない

誰かを糾弾することもできない

全部を抱えて破綻するんだ

吐き出すことができないってそういうことなんだよね

例えばよく言う教会で懺悔とか 心療内科の先生にお話するとかそういうことじゃないんだよ

だってその人達は 相手のことを知らないじゃん

俺の環境と情報だけしか知らないじゃん

その人たちにぶちぶち言ったってさ

そりゃあいい顔して頷いてくれるよね

で、それで終わりだよね

そういうことじゃないもの

俺はさ

一緒にムカついて欲しかったり楽しんで欲しかったり笑ってほしかったり

それが欲しいんだよね

だからさ結局それができる人間なんていないんだよ

一般的には結婚して生活を共有する嫁さんとそういう日々を送るんだろうけどさ


結婚しとけよ

人生の保険だよ

恋だ愛だそういうことじゃないんだ

機能として必要

その上、だ

いいか

結婚して家庭もってないと、どんなにちゃんと物事を処理してても一切評価されないぞ

結婚して家庭もってるって、人間としてちゃんとしている証拠なんだよ

結婚して家庭をもってそれを継続するって、多くの人はそれをやってるから実感として

大変なことをちゃんとがんばってるってわかりやすいんだよね


結婚って免許証と一緒

人間の免許証なんだよ

そういうことだね

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