第29話だから俺は 未だに 中学生のような 万能感で
人生というものは一つ一つちゃんと こなさなければ いけないんだと 数年前に 気づいていた
にもかかわらず 放置 していた ツケが回ってきている
お見舞いに来てくれる皆さん その他いろんな人たちを見ていると ちゃんと その時その時の人生を 当たり前のように当たり前のことを やりきっている
中学校では中学校の 人間関係を頑張り 進路も しっかりと考え
高校では高校の 大学では大学の それを 正面からこなしてきている
取るべき時期に 自動車免許の取り するべき時期に 就職活動をし その中で 夢を 見て夢を諦めて 新しい道を探して 恋をして 結婚をして 新しい家族を作って
そうやって 信頼できる大人や先生仲間家庭を作っている
俺はいろいろ好き勝手してきたので 後悔のない人生だと言い切ってしまいたいのだけど 何もないことにだけ 気づく
だから俺は 未だに 中学生のような 万能感で 何か 俺にだけ特別なものがあるんじゃないかと どこかで 信じようとしているし 高校生の時のような 文化祭で盛り上がる あの空間を作ろうとして しまうし 青春 にしがみつく
ずっと そういうありふれた 青春や人生を 拒絶してきたのにね
言い訳はあるんだ
そうやって 何かしら 俺だけの特別なアイデンティティを作らなければ
そしてそれにしがみつかなければ 俺はずっと それはそれで モヤモヤしたままだった
人のせいに するなと言われるかもしれない ただやはり一つあるのは あまりにも家がゴタゴタしていて その中で 青春をやり切ろうと大暴れしていた 弟のようなことができず
だから 人並みの青春をやりきれないのであれば 俺は俺なりの 青春を送りたいと 思ったことも事実で 普通であるとかありふれたであるとか そういった ことを否定して 拒絶して そうすることで 俺は自分の個性を 満足させていた
とても幼いやり方で 大暴れしていたといえば していたんだ
それならばはっきりと 弟のように ちゃんと 大暴れして 反抗して 青春を やり 切れば良かった のだろう
全部今更
やり直すことなどできない 母の半分が なくなったことで 俺の 空っぽな 人生が 浮き彫りになる
後悔というよりも 自責
今からではどうにもならないので 前を向いていこうと はしているが 如実に 何もないことの事実が 俺に 何もできないことを 教えてくるので
前を向くには ちょっと頭が重すぎる
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