第19話その結果のこのざまだ

母の、近所の友人が看病に。

母、ごめん、と泣く。情けないと泣く。いたたまれない。その方は、悪気なく、私も一人モノだしとかあの人が同じ病気になった場合は、と話してくれるのだけど、現在元気な人の話など感じ入って聞けるはずもなく。何を話してあげればよいのか。

病室を後にして バスを待つ 今日の面談で、この先2ヶ月、母の入院が決まった。母が一番大変なのは当然だが、俺はその期間を耐えられるだろうか。

俺の友人はみな、音楽や演劇などの関係だった。

ある時を境に、人間関係が苦しくなり、そえんに。そもそもがそういう繋がりだったので、こんな時に助けてくれる類いの関係を築けていなかった。何より助けて欲しいと思えない。

これも、全ては俺に起因する。まともな人付き合いが、何一つできない。

人間が嫌いだったというよりも むしろ好きでいろんな人と絡むのが楽しかった

昔から 学校内で グループを作ったり 映画をつくる仲間を作ったり いろんなことをしてきた

団体を作るのが楽しかった はずなんだけれども 気づくと 利益損益 打算 計算 そういったものが 人間関係の中に入ってきて いつのまにか 使うもの使われるものであったり 嘘をつくものつかれるものであったり そういった使い分けの上に 友人が形成される 時代に突入して いった

多くの人は それをよしとできていたようだけれども その上で友情を作っていたようだけれども 釈然としない 感覚の上にそれを作っていくことが俺にはできなくて

と言うととてもよくありがちな正直者が苦しむ構図に見えるけれどもそうではなくて

ただ俺が 当たり前のことができない ひねくれ者であったり 感覚がずれた弱い人間であったり 僻みが強かったり

そういったものが ちゃんと人間関係というものに対面することを阻害していたということ

ちゃんとした人間であればどうであれ周りに人が寄ってくるもので

どんなグループを作っても団体を作ってもどこかで孤立してしまうのは それはやはり自分の人間性が問題

そんな 俺がこういう事態になった時に周りに誰もいないということにやっと気づく

全ての関係を母に収束していたこの20年 それがすべて

言い訳になってしまうけれども そうしなければ 心がもたなかったということもあるんだ

多くの人にいい加減なことを言われ それでもその 団体を何とかしようとしその企画を何とか成功しようとし 躍起になる

結果としてなんとか形になり成功するんだけれど いつのまにか俺は何もしていない人 にされてしまい 反省会などでしっかりとした話し合いを述べようものなら それをねなぜやってる最中に言わないのか などと言われてしまう

実は活動中にも十分言っていたことで 誰も聞かないから俺が一人でまわしてしまった

で実際に はっきりとやってくれと言ったところ喧嘩にもならずふてくされる奴が出てしまったり 結局やっぱり俺がやることになってしまう

別にね褒めて欲しいわけではない

俺はやりたいんだから構わない

ただ何もやらない扱いをしてされてしまうのがよくわからない

加えて それに対して誰も フォローしてくれない

それどころかその何もしていない扱いの側に回る

それだと次の活動の時に 俺は何をすればいいんだろうかとことになってしまう

そんなことが繰り返される

繰り返されるということはやっぱり俺がそういう人間だから 繰り返されるわけで 何かを変えなくてはいけない

そんなことばかりを考えているうちに 全部が嫌になっちゃった

音楽がやりたいのに人間関係に終止して演劇をやりたいのに 人のタイミングを伺うことばかりに終始して ね何だろうか そんなことばかり

他の友達ともまあそんなところ

かなり仲良くやっていても どこかしらズレがあったり

一番悪いのは大学を出た後 俺がふらふらしてしまったことが原因でさらに俺のプライドが高いことも原因で なかなかみんなの忠告を受け入れることもなく 好き勝手にやりたい放題をしてしまい その上で周りといろんな部分で差がついてくるとともに 経済的に差がついてくると なかなか一緒に遊ぶことも出来なくなる

そしてだんだん距離ができてしまい 誰とも付き合えなくなる

もちろんそんな中でも付き合ってくれる人もいたのだけれど俺の方が疲れてしまう

その上家庭の事情で 色々と不安定で 俺はそれを友達にまき散らすことが できなかった

それはプライドが高いからとかではなくて 相手に申し訳なかった それだけではなく 外で遊ぶ時には家庭の諸々は忘れたかった

だから外で家の事を 言うのが嫌だった

その結果のこのざまだ

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