第67話 昴とめぐみのクリスマスデート

12月に入り、寒さが増す中、昴は公園で

みなみとジュースと、あったかいカフェオレ

を飲んでいた。そこで昴はみなみに留学

する事を話した。


「そっか。まぁ好きな人が遠くに行くのは

つらいね。しかも、海外なんて」

「あいつならどこでも来れるだろう」

「そう言う問題じゃないんだよね。好きな

人とはずっと一緒にいたいのが恋って

もんだよ。ま、私もまだ、したことなかったけどね」

「今はあるのか?」

「そだね。身近な人だから気づかれない

かもだけどさ」

「やっぱりわからん」

「いつかわかるよ。先輩」

「どっちが上かわからんな」


昴はまだ悩んだままだった。いつも通りに

しているが、めぐみの事が気になっていた。


「なんだこの感じは。ずっとあいつが

頭から離れん」


誰かの事をこんなに考えた事は今までなく

それが自分を好きだとわかってるから

なおさら悩んだ。

昴は冬休みに入る日に行く予定にしていた。

だから留学まであと、二週間になっていた。


教室でもめぐみがいるときは意識をする

が見ないようにすると余計に気になって

しまっている。

さすがに今の昴はそれが表に出ていて

凛達にも気づかれ屋上で取り調べ?を

された。


「素直に受け入れたら?」

「そうだよ。悪い事じゃないんだから」

「わかってる。だが、俺には誰かと

一緒にいる資格はない。だが」

「気になるんでしょ?めぐちゃんが」

「そうだな」

「一緒になったらどうだ」

「宮田」

「正直うらやましいぜ!あんな可愛い子に

好かれるなんてな。世の男子なら速攻

返事を出すぜ。お前だって普通の男子

なんだからよ」

「・・・だといいんだがな」


昴はすぐには答えなかった。そうして悩み

続け留学まであと一週間になった。

まだ答えを出せてない昴。留学先の学校や

住む家も決まっているが、すぐに行けない

かも知れないと悩んだ。

それを侑子に話すと昴にデートしてみたら

と話した。


「クリスマスか」

「そう。まぁ本当ならその前に行くはず

だけど、少しくらいは遅れてもいいでしょ。学校だって冬休みなんだし」

「そうだが」

「でも、私はうれしいな」

「うれしい?人が悩んでるのにか?」

「ええ。人の事で悩むなんてさ。しかも

それが恋の悩みなんて。お母さんうれしいわ」

「あんたのそれをやめさすには決めない

と行けないな」


昴は言われた通り、めぐみとクリスマスに

デートする事にした。めぐみに連絡をし

デートをしようと告げるとめぐみは羽上がる様な喜びをし、デートをする事を承諾した。


そして、冬休みに入り、昴は一応部屋を

片付け荷物を整理してからデートに

向かった。

デートする場所は都会では回りに気づかれ

るので、昴はチーム霧島で行ったあの

旅館に行く事にした。クリスマスには

向いてない場所だが、めぐみは昴と二人

だけでいられるならどこでも良かった。


最初は町を回った。都会ならクリスマスは

どこも混雑するが、ここは田舎で町は

ゆっくりしている。昴も落ち着いてめぐみと

一緒にいられた。

二人は丘の上の公園のベンチで座り

少し沈黙した後、昴から話し始めた。



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