第46話 めぐみVSほのか!?
三年三組、ここは昴達がいるクラスだが
今、そのクラスには殺伐とした空気が
流れていた。
その空気を作っているのは篠宮めぐみと
佐伯ほのかだ。
今日までめぐみは仕事でいなかったので
ほのかとは今日が初めて会うのだが
そのほのかは教室に入るなり、昴に
抱きついたのでそれを見ためぐみが
当然怒り、今の状況にいたる。
「あなたが先輩をダメにした張本人ですね」
「ダメって何よ」
「先輩が優しくなりすぎてる事です。先輩はあの時の方がカッコいいんです。それを
こんなに丸くさせるなんて」
「それは良い事でしょ!あなた、彼の
事わかってるの!」
「わかってます。あなたが見た事ない
先輩を見てます!先輩は以前の方が
良いんです!」
二人の口論が響きわたる。昴は自分の席
に黙って座っている。
チャイムが鳴り、しかたなくほのかは
教室を出た。
めぐみは自分の席からずっと昴を見ていた。
昼休み、再び殺伐とした空気が流れて
いた。そこは食堂で昴はチーム霧島の
メンバーで食べに来ていたが、そこに
めぐみもいるが、やはりほのかも
来ていて、昴を見つけ強引に昴の横に
座り両サイドにめぐみとほのかが
いる状態だ。
「またこの状況だね」
「うん。霧島君は我かんせずだね」
「回りの方が見てるな」
勇也達もどうしたものかと見守るしか
出来なかった。
「何であなたがいるのかしら?」
「私がどこにいようが私の勝ってです。先輩とは深い関係なんですから」
「私だって深い関係よ!あなたよりね」
「・・・先輩、あーんしてください。私の
あげます」
「昴君!私のもあげるわ」
「それなら普通にもらう」
昴は冷静に対処した。その後も二人は
休み時間に昴を巡って口論している。
放課後もそれは変わらず、昴はしかたなく
二人を連れて教室を出た。
昴は二人と街を歩いた。何も目的もなく
ただ歩いただけだ。めぐみと昴は変装
している。
夕方過ぎ、昴は家の近くの小さな公園で
二人とベンチに座った。ポジションは
当然、昴が真ん中に座っている。
「先輩、何がしたいんですか?」
「何も。ただふらついただけだ。特に
何かしようとはしてない」
「ま、昴君らしいわね」
「全然先輩らしくないです」
「あなたはまた」
「私は今の先輩を知りません。でも
やはり前の先輩の方が好きです。私が
また先輩を元の先輩にします。もちろん!
その為にはあなたを倒します」
「やれるものならやってみなさい!私は
篠宮めぐみよ!誰にも何にも負けないわ」
「いや、私が勝ちます。先輩、絶対
私のものにしてみせますから」
「・・・まぁ頑張りな」
昴はそのまま家に帰り、二人も睨み合った
後、解散した。
昴は部屋で座りながら考えていた。
「あいつらどうするか・・・なんて事を
考えるなんてな。あいつの言うように
俺は丸くなったみたいだな。さて、どうするか」
昴はどうしようか考えようとしたが
眠くなったのでそのままベッドに
倒れこんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます