第6話 ここから始まる2人のお話

次の日、私は湊を探して、各教室を回った。

だが…いなかった。湊の教室は知らないし、今日、何の授業を取っているかなど更に分からない。

「あっ、屋上にいるかも…」

そういえば、私が湊にあったのは2回とも屋上だった。なんで忘れてたんだろう…。

屋上に近づくにつれて人通りは少なくなってゆく。


キィーー


屋上に着き、辺りを見渡すと…。やっぱりいた!!

「湊!!!」

湊は驚いたのか、肩をビクッとさせてこちらを見た。

「なるちゃん。どうしたの?そんなにあわてて」

私は湊の方へ近寄ってゆく。

「湊、これから私は、大切な話をします!!!心して聞くように!!いい!?」

「えっ!?あ、うん」


大きく深呼吸をして、私は喋り始める。

私が雫石である事。湊と一緒に芸能界で、活動したい事と、その理由。そして、私が雫石だという事は、誰にも言わないでほしいという事。


湊はずっと静かに聞いていた。慌てる事も、話を遮る事もしなかった。


だが、私が話終わると、スイッチが入ったように慌てだした。しかし、しばらくすると心の整理が出来たようで、湊自身の事について喋り出した。


内容は、雫石に会えた事がとても嬉しく、芸能界に誘ってくれてありがとうという感謝。しかし、自身は、幼い頃から体が弱いため、それでも大丈夫なのだろうか、という心配だった。


芸能界はとても華やかに見える。だが、実際はかなりブラックな業界だ。そんな所に元々病弱な人が入っても、体調を崩すだけだ。

私は、前に湊が言っていた「入院していた」という言葉をすっかりと忘れていた。自分の事しか、考えれていなかったと、反省した。


「湊、ごめん。芸能界はかなりブラックな業界。そんな所に湊を連れていったら、多分、湊は崩れるだけだと思う。勝手に誘っておいてごめん。しっかりと湊の事まで考えれていなかった。やっぱり、やめとこう」

「ねぇねぇ、なるちゃん。ネットは?芸能界より時間の縛りがなくてやりやすいんだけど…どう?」

湊がネットでの活動を提案してきた。

「でも…ネットは精神的なストレスが半端じゃないよ…」

「精神的な事なら我慢できるよ。ずっと楽しいこと出来なくて、我慢してたんだもん。楽しいことをやっててストレスが生まれても、どうって事ないよ!」

「本当に?」

「うん!!それにね、雫石はネットから始めたでしょ?」

「うん」

「なら、ネットで俺と活動しててもおかしくは無い!!!!」

湊はそう言ってニカッと笑った。

「なるちゃん!!俺、歌いたいよ笑 だから、一緒にネットで活動させてください!」

「なんか、申し込む方、逆になってない?笑

私も一緒に活動したいです!よろしくお願いします笑 」


こうして、私と湊はネット上で活動する事に決めた。


「なるちゃん、活動名どうすればいいかな?」

「うーん それは、湊が決めた方がいいと思うよ。これから使い続ける名前だろうから」

「分かった。他に決めておくことってある?」

「うーん、また今度決めたんでいいかな?私、これから少し用事があって」

「うん、分かった。なら、連絡先教えてくれない?連絡できないと困るだろうから」


その日は、連絡先を、交換して、私は家に帰った。今から、報告しないといけない人がいるからだ。


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青に向かって歌え 横光凛音 @Himawari2024

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