第40話 改札前にて

改札前の太い柱に寄り掛かり、僕はイヤホンで音楽を聴いていた。通り過ぎていく人たちはみんなスローモーションだった。目を閉じると、闇の中に七色の閃光が浮かび、柔らかい糸になって、僕だけの闇の中を流れていく。人波の靴音が遠く響いていた。僕が目を開けると七色の閃光は消え、視界は白かった。

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