あれらが居る

「本当に毎日が楽しくて困るわよね」


 クスクスと笑いそれは弟子の右目から一時的に場所を代わっていた。


 今は弟子の義姉の右目だ。

 こちらに来たのには理由がある。やはりバトルは間近で見た方が楽しい。


「あの魔女が負けたのは予想外だったけど」


 この魔眼内で最強を誇る魔法使い……術式の魔女が暗殺者に負けるとは思いもしなかった。

 予想外だ。競馬だったら大波乱間違いなしだ。


「それにしてもこの魔眼の中には本当におかしな魔法を使う者が多いわね」


 言うなれば正統……自分たちが作り弟子たちに伝えた魔法とはかけ離れたものばかりだ。

 何人かは間違いなく異世界の魔法を継承している節がある。


『大陸東部にはリーアが居た気配が濃かった。あの馬鹿が召喚魔法で何かしらの悪さをしたと考えるのが正しいわね』


 3人の中で最も個性が歪んでいたのが召喚の魔女と呼ばれたリーアだ。

 双子の姉であるユーアを本気で愛する同性愛者。良識は持ち合わせているが依存性が強く、暴走したら手の施しようが無かった。


『まあユニバンスがカオスな理由はあの馬鹿が原因として』


 椅子に腰かけテーブルに肘をついた姿勢で、彼女……刻印の魔女はため息を吐く。


『この神聖国は始祖が作った国だ。つまりあれらが居る』


 国を作ったのは始祖だが、あれを作ったのは……まあ良い。

 たぶん間違いなく継承され伝わっているはずだ。

 戦いとなればどうにか出来るはずだ。自分の今の弟子や魔眼に住む者たちならどうにか出来るはずだ。


「さて……私の冒険の仲間を務められるか今回は厳しめに査定するから」


 クスクスと笑い刻印の魔女はこれからの展開を楽し気に待った。




~あとがき~


 酷い頭痛で全く執筆が出来ませんでした。ごめんなさい。

 休もうかとも思いましたが、刻印さんの呟きを。


 今日は大人しく休んで明日から復活したい…




© 2022 甲斐八雲

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