異世界に行く方法その83

 三人はインターネットカフェのパーティールームに来ていた。そこでフリードリンクを片手にネカフェのフードメニューを色々と並べてグラスをかかげた。



「精霊王サマに魔王サマ、二人は耐えがたきを耐え、忍び難しをしのいだ。そしてここに、二人が京都へ行くだけの資金が溜まったわけや。これも一重に俺が裏ルートから見つけてきた内職と二人の頑張りに他ならない」



 ツィタニアとアズリタンは一体何の為に使われるのか分からない箱や、あて名書き、そして造花作りと最低賃金を下回る給料で働き続きた。全ては宗麟の課外学習である京都旅行についていく為、旅館の手配も交通機関の手配も全て宗麟が進め、あとは来るべき日が来るのを待つだけだった。



「そこで細やかながら、俺が一席設けさせてもろた。今日はぞんぶんに飲み食いしてくれ! 挨拶はこのくらいでええやろ?ほな、かんぱーい!」

「「かんぱーい!」」



 ツィタニアにアズリタンは今回は慰安の会なのだと信じて疑わなかった。それだけに辛く苦しい内職期間だったのだ。アズリタンは何度となく泡を吐きm逃げ出すという事を繰り返す。そんな中でも敵である魔王を慰めながらなんとかやってきた。



「まぁ喰え喰え」



 ピザにカレーにパスタにフライドチキンと全て電子レンジ調理されたようなそれらに舌鼓を打ちながら宗麟は話す。



「このネカフェ施設、難民キャンプであるって知ってるか? あの被災者達が一時的に通うそこ」

「何を言っているんですか? ネットに漫画やゲーム。ここはどう考えてもレクリエイションの場でしょうに!」

「それがな、ここは身分証明書がいらんブースがあるんや、あきらかにオープンスペースになってる場所やねんけどな? 見てみ、生きた屍みたいな目でネット画面みとるやろ? あれが、楽しんでる奴の眼か?」



 ツィタニアとアズリタンは彼らを見て、ここで御馳走を食べて笑っている自分達とは明らかに違うという事に気づいた。



「何が言いたいのだ? こぞう……」

「あれは、割のいい仕事探したり、せどりできるもんないか血眼で探しとんねん。要するに、身分が証明できなくても生きて行けるかっちゅー話やな? あの中に二人の先輩。異世界からの使者がおるかもしれへん! ちゅー事で、聞いてきてや」

「「え!」」



 できれば関わり合いになりたくないと本能的に思うも宗麟に煽られる。



「魔王サマはびびっとんのか? まぁ、無理もないやろな……他世界の魔王がおるかもしれへんし、しょぼい魔王サマじゃなぁ」

「こぞう、貴様言わせておけばぁ! みておれぃ! 余がナンバーワンだ!」



 ずんずんとオープンスペースに行き、わめきちらす事数分。店員さんがやってきて宗麟がめちゃくちゃ怒られた。

 宗麟は店員さんと異世界の住人(仮)達に謝罪してからアズリタンに言う。



「お前が、ナンバーワンや」

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